01.〈Addict〉 ページ2
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『黒髪の撫子?』
聞き慣れない単語に首を傾げる。
何時も通り業務をこなしている時に敦くんが頼んで来たのは、何とも不思議な依頼だった。
如何やら人手が足りないらしく、その撫子を一緒に探して欲しいのだとか。
『別に良いけど…探偵社も人探しとかやるんだね』
「まあこれには深い事情がありまして…」
あはは…と苦笑いをする敦くん。
私は益々首を傾げる。
まあ探偵社にくる依頼なんだから、きっとその人は危険人物なのかな。
そう思い乍ら、撫子探しをするべく椅子から立ち上がった。
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『恋煩いぃ?』
「そうだ。これを如何にかせんと、花袋は仕事ができん」
『はあ…恋の病って訳ですか』
元探偵社員の田山花袋さん。
彼に調査を頼みに行った事は知っていた。
でも真逆こんな事になってるとは……
『それで、その相手が黒髪の撫子って事ですか』
手に持つ撫子の写真を見る。
確かに美人さんだ。
一目惚れするのも判る。
『よし、それじゃあ早く恋文を渡しちゃいましょう』
田山さんの依頼は、撫子を探して恋文を渡す事。
それを達成すれば調査ができるのだ。
なら早く済ませた方が良い。
………それにしても、今時恋文だなんて時代おくr……ん"ん"っ、中々良い趣味してるなあ。
「あ」
突然、敦くんが何かを見つけたように立ち止まった。
あれ、と指差す方を見ると、此処を見下ろせる位置で何やら熱心に双眼鏡を覗く女性が居た。
『知り合い?』
「ああそうか…お前は未だ知らないのか。彼奴はマフィアだ」
『えっ』
「それも芥川の部下なんだよ」
『ええっ!?』
思い出すのは、以前路地で会ったあの真っ黒い青年。
思わず左腕を押さえる。
でも、そんな人があんな処で一体何を…?
「…取り敢えず、行ってみるか」
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奏翔 - とても面白いです!更新待ってます!頑張ってください! (2023年3月21日 20時) (レス) @page50 id: 49dd49021f (このIDを非表示/違反報告)
ナナ - とても面白かったです!更新楽しみにしてます! (2023年3月17日 10時) (レス) id: e237c48342 (このIDを非表示/違反報告)
麦子(プロフ) - 瑠李さん» ありがとうございます!( ;ᵕ; ) これからもお付き合い頂けると嬉しいです! (2023年2月3日 7時) (レス) id: 064241d233 (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - ゚+。:.゚おぉ(*゚O゚ *)ぉぉ゚.:。+゚めっちゃ楽しみに待っていました٩(๑>∀<๑)۶更新ありがとうございます<(_ _*)>麦子さんの小説は大好きです。頑張ってください。これからも応援してます。 (2023年1月19日 0時) (レス) @page48 id: 6b9c5dcab8 (このIDを非表示/違反報告)
麦子(プロフ) - Senaさん» コメントありがとうございます!とても嬉しいです…😭更新頑張ります! (2022年5月2日 1時) (レス) id: 064241d233 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:麦子 | 作成日時:2018年4月28日 20時