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53. ページ6

中也 side





…さて、如何したものか。


ポートマフィア幹部、中原中也は悩んでいた。



「芥川……」



ポートマフィアの重要な戦力である、「芥川 龍之介」という男。

その残忍な性格と強力な能力は組織内でも知られている。


しかし今日、芥川と中也の恋人であるAが接触したという。

真逆芥川の異能、「羅生門」がAに向けられようとは中也も予想していなかったのだ。




「…ンっとに、手前は……」



隣で眠る恋人の白い頰を軽く抓る。

「んー…」と綺麗な顔が歪んだが、それも一瞬で、またすぐに寝息を立て始めた。


太宰に至急来る様に呼び出されて、Aの怪我した姿を見た時は爪先まで体が冷たくなった。

でも当の本人はけろっとしていたし、むしろ時折笑顔を見せたほど。


…全く、此奴の度胸は如何なってるんだ。

其処らの女子学生の肝の座り方じゃないぜ。

流石俺が惚れた女と云うか何と云うか…


苦笑して、爆睡するAの頰を撫でる中也。

月明かりに照らされた白い肌が輝いている。




「…心配させんなよ莫迦」



愛おしそうに寝顔を見つめた後、その頰にキスをして、ベットから静かに出て行った。


マフィア幹部は暇ではない。

本部からの呼び出しがつい先刻あり、直ぐに行かねばならないのだ。

時刻は深夜3時。

未だマフィアが支配する夜だ。



「_____うし、行くか」



手早く準備を済ませた後、もう一度Aの寝顔を見てから自宅を後にした。





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麦子(プロフ) - Aliceさん» すみません、ご指摘ありがとうございます! (2018年1月13日 16時) (レス) id: 564537986a (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - 毎度楽しく読ませて頂いております。profileの最後、湊かなえさんの作品が「花の鎖」ではなく「八月の雪」になってますよ (2018年1月13日 15時) (レス) id: 9007c89a5c (このIDを非表示/違反報告)
麦子(プロフ) - 美玲さん» はい私もおかしいと思ってました笑 右腕だけを絡ませた事にしておきます笑 (2017年12月6日 17時) (レス) id: 564537986a (このIDを非表示/違反報告)
美玲 - すごく余計な事かと思うのですが、50話の”彼の右腕に自分の腕を絡ませれば”の部分、主人公は左腕を怪我しているので、右腕に腕をからませえば、左右どちらでも中也さんの服に血がついてしまうのではないでしょうか?(マフィアは気にしないと思いますが) (2017年12月6日 13時) (レス) id: 11b58ea605 (このIDを非表示/違反報告)
麦子(プロフ) - 紫 LizZ(カレーの妖精愛してる)さん» わーありがとうございます!頑張ります! (2017年12月4日 23時) (レス) id: 7a9f7e3baa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:麦子 | 作成日時:2017年10月1日 20時

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