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4:29 a.m. ページ2











────夜明け前の街を眺める事が、意外に好きだったりする。



朝方帰って来ると、中也は必ずこうしてベランダに出て街を眺める。

特に何もせず、ただただぼーっと眺めるだけ。

そして暫く眺めた後、日が完全に昇る前には恋人が眠るベットへ入る。





この日も、中也は帰って来て直ぐにベランダへ出ていた。

よく晴れた日で、澄んだ空気が心地良い。


目を瞑って風を浴びていると、背後の扉が不意に開かれた。






『帰ってたんですね』






振り向けば、其処には何時もなら寝ている筈の恋人…Aの姿があった。






「起こしたか?」

『いいえ、目が覚めちゃっただけです』






そう微笑み乍ら、中也の隣に並ぶA。

濃藍の髪の毛が風に舞う。







『…中也さん』


「ん?」







少しの間夜明け前の街を眺めた後、Aが口を開いた。

藍と蒼の瞳が交わる。







『お誕生日、おめでとうございます』







と微笑むA。

それを見て、中也は一瞬目を見開いた後、



「あァ……そういえば今日か…」



と思い出したように呟いた。







『え、真逆忘れてたんですか?』

「…誕生日ってそんなに大切か?」

『大切ですよ!だって…』







そこまで云って、Aは中也の手を握った。







『貴方がこの世に誕生した日なんですから』



「……!」







そう微笑むAに、思わず目を奪われた。


中也を見詰める藍色の瞳は、

全てを優しく包み込む、母なる海のような温かさを秘めている。




────此奴なら。

此奴なら、全てを受け入れてくれるだろうか。



ふと、そんな事を思った。







『…なーんて、少し重いですね』






あはは、と笑うA。

偶に見せる年齢に合わない大人っぽさは、一体何処から来るのだろうか。







『さて、実はプレゼントは未だ用意してないんですけど、何が欲しいですか?』

「あァ?…あー………」






Aは何でも云って下さい、と意気込む。

中也は少し考えた後、ちらっとAを見て悪戯っぽく口角を上げた。






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林檎@諸事情につき低浮上(プロフ) - うひゃぁあ更新有難うございます待ってました!!!いつ見ても面白いです!!これからも応援してます − !! (2019年4月30日 0時) (レス) id: 4706140a44 (このIDを非表示/違反報告)
ふらん - 続きがとても気になります! (2018年8月20日 14時) (レス) id: dbdc3a2a0b (このIDを非表示/違反報告)
麦子(プロフ) - ザクロさん» 主人公が除霊(物理)したので大丈夫です!!(笑) (2018年7月16日 2時) (レス) id: 564537986a (このIDを非表示/違反報告)
麦子(プロフ) - ザクロさん» ありがとうございます!^^ (2018年7月16日 2時) (レス) id: 564537986a (このIDを非表示/違反報告)
ザクロ(プロフ) - 敦君。逃げて! (2018年7月10日 23時) (レス) id: cf0e41908a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:麦子 | 作成日時:2018年6月16日 21時

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