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「見ーつけた!」
待ち合わせ場所に着いた僕の元に
笑いながら駆け寄って来た幼馴染。
髪を1つにまとめて、
紺色の浴衣を着たAの姿は、
なんだかやけに大人っぽくてドキドキした。
「・・・綺麗だね。」
心で思っていたことが声に出てしまったらしく
Aはジロリと疑いの目を僕に向ける。
「何それ、お世辞?」
「ち、違うよ!」
「嘘、お世辞でも嬉しい。ありがと。」
ああ、ほら、ずるいな。
そんな照れたように笑うなんて。
やっぱりあの3人には絶対会わせてあげない、と改めて心に誓う。
そんなAの笑顔と一緒に揺れたのは赤い髪飾り。
初めて見たはずなのに、
その髪飾りをつけるAをなぜか
ずっとずっと見たかったような気がした。
揺れる髪飾りを見ると、
ずっと伝えられなかった想いも
今日なら伝えられるかもしれないと思った。
そう思ったら、もう口に出ていて。
「A、好きだよ。」
遠くで、花火が上がる音が聞こえた。
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麦(プロフ) - 此花さん» ありがとうございます!両作品とも見て頂いているなんて・・・嬉しい限りです!(涙) (2018年2月22日 10時) (レス) id: 05358902b3 (このIDを非表示/違反報告)
此花 - ヤンキー君とお嬢様 から来ました。このお話もとっても素敵で続きが待ち遠しいです。楽しみにしています。 (2018年2月22日 0時) (携帯から) (レス) id: ec1574e89f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:麦 | 作成日時:2018年2月18日 23時