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「え、?」
Aが結婚?
なんで・・・?どうして?
乱れた僕の心に追い打ちをかけるように、
夏の夜風が僕の髪を強く揺らす。
「相手はお殿様なの。とてもいい人で・・・。
本当に、私には勿体ないくらい素敵な人。」
「きっとあの人なら久瀬家を守って、
この村の人たちのことも幸せにしてくれるはずだから。」
そう言って振り向く彼女の瞳を見た瞬間、
久瀬家の一人娘として生まれたAの覚悟、が見えた。
彼女はこの村で一番大きなお屋敷のお姫様で、
この村の人々を守っていく義務がある。
所詮、お姫様のAと僕が結ばれることなんてありえないことで。
そんなのとっくにわかってたはずなのに。
本当はそんな男のところに行かないでよ、って言いたかった。
今すぐにでも、無理に笑顔を作るAを抱きしめたかった。
でもAの決心した目を見ると何も言えなくて。
「・・・おめでとう。」
ぎゅっと、彼女にあげるはずだった贈り物を握りつぶした。
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麦(プロフ) - 此花さん» ありがとうございます!両作品とも見て頂いているなんて・・・嬉しい限りです!(涙) (2018年2月22日 10時) (レス) id: 05358902b3 (このIDを非表示/違反報告)
此花 - ヤンキー君とお嬢様 から来ました。このお話もとっても素敵で続きが待ち遠しいです。楽しみにしています。 (2018年2月22日 0時) (携帯から) (レス) id: ec1574e89f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:麦 | 作成日時:2018年2月18日 23時