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A「ほい。終わり。頑張ったね。」
綺麗に包帯の巻かれた自分の身体。
追い剥ぎにあった俺は、ただいまパンイチであるが…
とりあえずこれ着てな。
と手渡された着物は、俺の身長には少しだけ短い男物の着物だった。
なんだ。男いんのか。
そんなこと知ってしまっては、ここに住むわけには行かないし、明日にでもあのババアを説得して……
なんて考えていると…
A「安心しな。私に男なんていないよ。そいつは、うちの兄貴の着流しだ。」
なんだこいつ…読心術でも使えんのか、、、?
と思ったが、怖いから突っ込むのをやめた。
銀時『兄貴もここに住んでんのか…?』
A「いや。もういないよ。」
銀時『いない、、、ってのは(ぐうぅぅうぅ………)
すみません…////』
A「ふっ!あははっ!お昼にしようか。ご飯作ってた途中なんだ。少し炬燵であったかくして待っててくれ。」
あっ…笑った。笑えんだこいつ、、、
銀時『い、いい!!手伝う。』
A「ふらふらのガリガリのくせに何言ってんだよ。いいから座ってなよ。」
銀時『世話になんだ。客じゃねぇ。』
A「じゃあ…炬燵で鍋でも囲もうか。私はA。気軽に呼んでよ。兄ちゃん名前は?」
銀時『坂田…銀時。』
A「うん。よろしく銀時。」
銀時『よろしく…お願いします。』
.
.
.
ぐつぐつと煮える鍋。
手伝うと言った俺を気遣ってか、作っていた物とは別に
鍋を用意してくれたAのおかげで
炬燵に潜り込んで今に至る。
A「もう良いんじゃないかな。いっぱい食べな。その様子じゃあしばらくまともなご飯食べてないだろう。」
そういうと、山盛りの白飯をよそった茶碗を目の前に置かれる。
銀時『いただきます……』
正直、死ぬほど腹が減っていた俺は、遠慮なく飯にありついた。
それはもう引かれるくらいがっついた。
A「そんなに急いで食べるな。2人しかいないんだから無くならないよ。」
銀時『うめぇ…』
A「そりゃよかった。」
銀時『あ〜…その…助かった。ありがとよ…
こんな得体のしれねぇ野郎が突然家に連れてこられたのに、、、』
A「これはお登勢の命令。気にするな。
それに、そう素直に感謝を言える人間に悪い奴はいないさね。
好きなように過ごしてくれ。ここに住むもよし、出ていくもよしだ。まぁ傷が治るまでは選ばせないけどね。」
そう言うとAは、俺の返事なんて聞かずに新聞を広げた。
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むぎむぎ(プロフ) - いちご丸さん» 前作も読んでいただきありがとうございます!!よければこっちも楽しんでいただけると嬉しいです(*´-`) (9月20日 19時) (レス) id: 0ab5c4428c (このIDを非表示/違反報告)
いちご丸 - 実況者さんの小説から来ました!頑張ってください! (9月20日 17時) (レス) id: 7e45dba670 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むぎむぎ | 作成日時:2023年9月14日 17時