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お登勢『ったく…あの子ったら一体どこのおっさん、たぶらかしてきたんだか。
でもあの子を自由にするきっかけをくれた人だってのは確かだね。』
銀時「そうかい…」
俺は湧き上がる何かをしまい込むように、Aの羽織をぎゅっと握りしめた。
お登勢『銀時。なんでAがその羽織着てるか、知ってるかい?』
銀時『……しらね。』
お登勢『だろうね。Aはね、自分を一度殺 したのさ。
"桜" これがあの子がAになる前に殺してきた女の名前だ。』
あっ…あの表札は……あいつの名前だったのか。
お登勢『戒めだと言っていたよ。そんなもん捨てちまえばいいのにねぇ。
Aはその背中一面に散りばめられた桜を背負って今も暗闇の中にひとりぼっちだ。』
銀時『AはAだろ。それ以外の何者でもねぇ…』
お登勢『あんたのそう言うところにあの子は無識に惹かれてるんだろうさ。銀時、お前さんはAには…眩しすぎるんだろうねぇ…
だからかね、あんたには白い着物が似合うといつも言っていたよ。』
あっ……。
「白の生地何個か見せてくれ。」
「銀髪がよく映える。」
お登勢『あんたは何も取りこぼしちゃいないよ。
なんたって相手が相手だ。意地でもあんたの手からは落ちてかないさね。』
銀時『そういや……あいつが暗い色の服以外きてるの見た事ねぇや。』
お登勢『おや。銀時にしては、よく見てるじゃないか。
そうそう。あんたの袢纏。あれ、楽しそうに選んでたよ。』
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A「銀時は肌も白いからな!上着くらい黒がいいと思うんだけど!お登勢さんどう思う??」
お登勢『知らないよ。好きに選びな。』
A「これなんて似合いそう…うん。黒にする。お揃いだ。」
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あー…くそ。直接言えバカやろー。
お登勢『それ貸しな。』
ばーさんは俺の手からAの羽織を奪い取ると、立ち上がりどこかへと歩き出した。
銀時『どこ行くんだよ。』
お登勢『同じ物仕立てに行くんだよ。いつもの袖無しだけじゃさすがのAも寒いだろ?
銀時。あの子にもいつか白い着物着せてやっておくれ。これは、あんたにしか頼めないことだ。
何から何まで真っ白な、とびきり上等なやつをさ。』
銀時『……は?』
お登勢『ははっ!その時はあんたに、とびきり上等な、黒五つ紋付き羽織袴。仕立ててやるよ。』
銀時『あっ!おい。』
黒五つ紋……って、あっ…
銀時『はぁぁ……からかいやがって…くそばばぁ。』
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むぎむぎ(プロフ) - いちご丸さん» 前作も読んでいただきありがとうございます!!よければこっちも楽しんでいただけると嬉しいです(*´-`) (9月20日 19時) (レス) id: 0ab5c4428c (このIDを非表示/違反報告)
いちご丸 - 実況者さんの小説から来ました!頑張ってください! (9月20日 17時) (レス) id: 7e45dba670 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むぎむぎ | 作成日時:2023年9月14日 17時