19、どうでもいい ページ20
書類を持って、ミズキ先生と約束した場所へ急ぐ
ミズキ先生…
喜んでくれるかな?オレのこと…「ナルト」って呼んでくれるかな?
ガサ…ッ
後ろで足音がした
「…あ!ミズキ先生!オレ、ちゃーんと持ってきた…………、ってばよ…?」
振り返るとミズキ先生がいた
けど、先生一人じゃなかった
5、6人の忍がこっちを見ながらニヤニヤ笑っていた
そして、ミズキ先生の隣にいた忍が口を開いた
「持ち出し厳禁の封印の書とも知らず本当に取ってくるなんてバカなガキだな…!」
「……!? こ、これは違うってばよ!!これはミズキ先生が試験で使うからって…!!」
「………」
「な、なあ!そうだよな?これは封印の巻物なんかじゃねぇってばよ!!そうだろ!?ミズキ先生!!」
「………」
答えるどころか目もあわせてくれない
ただ、まわりの忍みたいに笑ってはいなかった
苦しいのか 憎いのか それとも何も感じちゃいないのか わからないような表情だった
「オイオイミズキ 何とか言ってやれよ〜?中途半端に信じさせんのが一番残酷なんだぜ?」
「まあこれでガキもわかっただろうよ
優しいと信じてた先生に裏切られたってことはよ!」
「ち、違う!違うったら違う!!
ミズキ先生!早く本当のコト言わないと誤解されちゃうってばよ…!!」
「誤解してんのはお前の方だよ
コイツうるせーな 腕の一本でも切っとくか」
「……え…」
「んや、逃げらんねーように脚がいいだろ」
「……!!」
ドサ……ッッ
気づけばもう、さっきまで声すら全く発してしなかったミズキ先生に押し倒されて踏まれていた
「……っっ」
声が出ない
そんなオレとは対照的に、ミズキ先生は初めて口を開いた
「哀れだな全く…… オレは最初からお前みてぇな汚いガキ 触るのもいやだったんだぜ…!
修行みてやってたときも 一緒におしるこ食いに行ったときも
ずっと思ってた……
早くオレの前から消えてくれりゃあいいのにってな…!!」
「大人しくなったな
今のうちに捕まえて閉じこめろ!!」
「「おお!!」」
もう どうでもいい
ミズキ先生がオレのこと必要としてないんなら……
閉じこめられたって殺されたって もうどうでもいい
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作者名:仲村あ〜子 | 作成日時:2016年7月1日 22時