共依存は知っている

10 私 ページ10

ああ

もう

逃げられない



逃げなきゃ

どこへ？

何故？何故逃げる必要があるの？


こんなにも幸せなのに。

ああ、苦しい。


いつになったら抜けられるのだろう。


ここは天国なのかな。それとも地獄？


いつまでもいつまでも想い続けながら生きて行かなくてはならないの？

それはきっと辛くて辛くて。でも、とても幸せなのだろう


だって、想い続けていれば

いつまでも上杉くんは私の中で生き続けるから。


いつまでも。永遠に。

一緒にいられるはずなのだから。




だめだめだめ。


何の為に私たちは別れたの？

お互いの為の選択を無駄にするつもり？


自責。自責。



ああ、でも…忘れることはできそうにない…

正しくある必要なんてあるのかな？

ずっと幸せでいてはいけないの？


想うことは自由でしょ？

何故、邪魔をするの？


助けて。

苦しい。



嫌だ。こんな私が。嫌だ。嫌だ。


時々冷静になって。現実に戻って苦しむくらいであれば。


いっそのことずっと夢を見ていられたら良いのに。



寝られない。

体も心もおさまらない。


何故…？




ねえ、助けてよ。抜け出したいの。


いやだ。私は抜け出したくない。



現実に戻りたい。元の私に戻して。


夢の中でまどろんでいたい。幸せな夢を見続けていたい。



上杉くんは何を望んでいたの？別れることでしょう？
そうして幸せにならなきゃ。現実に戻らなければ。


上杉くんは私と一緒に生きたがっていたよ。あんなにも私を求めていたでしょう？
二人でいることが私にとっての幸せなのではないの？
夢の中でも良いからそうして幸せにならなきゃ。



ああ…もう既に。
私の考えすら私ではもう分からない。

11 変わったのは→←9 狂い

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す