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9 狂い ページ9

「和典くん、この日の花火大会に行かない?」

地元の小さな花火大会。
新しい浴衣を買ってもらったから、それを着た姿を上杉くんに見て貰いたかったんだ。


そして、誉めてもらいたかった。

口下手な上杉くんだけど、日を重ねるにつれて素直な気持ちを伝えてくれるようになった。


認められた。


認められているんだ。


認めてくれるんだ。


そう感じてもっと上杉くんが好きになっていった。


これは、上杉くん自身がが好きだったのか、認めてくれる存在として上杉くんが好きだったのか。

分からないけど、上杉くんが好きだって事実は変わらないからどちらでも良いよね?


「ん。ああ…その日はサッカーチームKZの練習試合があるんだよな」


じゃあ、無理かな。
迷惑はかけられない。

頑張ってねと応援するのが私の…彼女としての役割だ。

でも、でも…

ごめんなさい


「どうしても、行けない?」

私の気持ちを優先してしまった。

こんな彼女は嫌かな。
嫌われてしまうかな。

「ごめんなさい、無理なら大丈夫だから。気にしないでサッカーを頑張ってきてね。」


「いや、俺も彩と花火を観たいし…いいよ、練習試合なんか。
参加しない旨をコーチに伝えておく」


以前の上杉くんなら出るはずがない台詞だった。

ああもう、この頃には狂い初めていたんだ。

この時、止められていれば。


正しい方向に進めていればこのような結末にはならなかったのかもしれない。

この頃ならまだ間に合ったはずだ。



けれど私は

「いいの?ありがとう!
私は浴衣を来て行くね!!」

自分の欲に抗えなかった。

10 私→←8 ディープ



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設定タグ:探偵チームKZ事件ノート , 立花彩 , 上杉和典   
作品ジャンル:恋愛
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ハナビ(プロフ) - とても面白いです!れーむさんの小説大好きなんです!!やっぱり文章がオシャレ!!憧れますよ! (2018年12月22日 20時) (レス) id: cf4549d31c (このIDを非表示/違反報告)
白糸(プロフ) - みなみさん» ありがとうございます!私の好みだけで書いた二次創作小説なので反響にはあまり期待していなかったのですが、そういっていただけてとても嬉しいです。甘いお話がお好きとのことなので宜しければ、れーむ時代の「ハロウィンは知っている」なども宜しければお願いします! (2018年10月8日 11時) (レス) id: 53d2e452a9 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - 甘い話も好きですが、こういう系もいいなーって読んでて思いました笑 新しい話楽しみに待ってます。 (2018年10月8日 10時) (レス) id: 405036adca (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白糸 | 作成日時:2018年10月8日 3時

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