いっそ嫌いと言ってくれ 【土方十四郎】

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「......何でこう...素直になれないのかなぁ」
 
 
 
ファミレスのテーブルに突っ伏して呟く私＿＿真田Aは目の前のチョコレートパフェに手も付けず、ぼんやりと雨滴に濡れた窓の外を眺めていた。
外は雨。空一面が厚い雲に覆われぱらぱらと降ったり止んだり、まるで私の不安定な心の中をそのまま映し出しているみたいだ 。
 
 
 
「いっそ好きって言っちまえばいいんでさァ」
 
 
 
パフェの上からどろりとしたタバスコらしき真っ赤な液体を注ぎながら亜麻色の髪の少年＿＿一番隊隊長、沖田総悟は呟いた。ハンバーグにサラダ、コーンスープ...彼の目の前に並べられた美味しそうなランチセットは全て私の奢りである。
 
 
 
「うちの隊で噂になってますよ、土方のヤローとAさんがデキてるって。もうあんな事やそんな事やこんな事までやっちまってるって」
 
「いややってないから！」
 
「よく野郎の部屋出入りしてるじゃねーですかィ。お熱いねェ、朝っぱらから痴話喧嘩聞かされる俺らの身にもなって欲しいや」
 
 
 
やれやれ、と首を振り切り分けたデミグラスハンバーグを口いっぱいに詰め込む総悟。悔しいけどもぐもぐと大げさに咀嚼する口元は小動物みたいで可愛らしい。

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