貴方の言葉（相川始） ページ16
その日偶然会った始さんは、片腕を怪我していた。
家が近かったため、急いで彼を部屋に上げた。
すぐに手当てをしなければ。
私は彼の腕に触れようとした、その途端。
「触るな！」
鋭く、怒気を孕んだ声だった。
私の手は振り払われた。
まるで、私を拒絶するように――。
「……ごめん、なさい」
その声はなんとも弱々しい、情けない声だった。
私は、今きっと酷い顔をしている。
可愛くない。
彼に、見られたくない……。
「何か、飲み物持ってきます」
できる限り明るい声で言った。
私は彼を置いて、逃げるように部屋を出た。
キッチンに着いて一人になると、堰を切ったように涙が溢れた。うずくまり、声を我慢してすすり泣いていると、気づいたときには目の前に始さんが立っていた。
「……さっきは悪かった」
私は首を振る。
「私が、悪いんです。私は……始さんが、誰より優しい人だって、分かってるのに…嫌われたんじゃないかって、思って、怖くて……。始さんのこと、信じてるのに……！」
彼はいつの間にか私を抱き締めていた。
包み込むような優しい腕。私は彼の怪我をした腕に、そっと触れた。今度は拒まれなかった。彼は小さな声で縋るように言った。
「ありがとう」
その言葉には、多くを語らない始さんの気持ちが一杯に詰まっているような気がした。
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mtnz(プロフ) - namelessさん» 感想ありがとうございます！！微妙な関係性、いいですよね……。閲覧感謝です！🙏また新たな良き関係性を書きたいと思います！ (4月4日 17時) (
レス) id: 2225662d3f (このIDを非表示/違反報告)
nameless - 草加夢の関係性とても好きです……………😭😭😭めちゃくちゃたすかりました…………😭😭😭😭😭😭 (4月4日 3時) (レス) id: 61c846afc2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mtnz | 作成日時：2024年2月18日 1時
