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三成Side
「忌み子じゃ、忌み子」
「いっそ生まれてこなければ良かったのにのぉ」
───私は、生まれてきてはいけなかったのだろうか。
親の顔など覚えていない。
私が十になる前に寺に預けられ、否、捨てられた。
周りとは異なる姿の私を人は恐れ、蔑んだ。
時には理不尽な暴力に虐げられた。
そんな生活が続いていくうちに自分でも分かるほどに心が歪んだ。
そんなある日、私はあるお方に出会った。
「佐吉。お前俺達に逆らうのかよ?」
「何故私が貴様等に与えられた役割までこなさなければならない」
「てめぇ!下っ端のくせに偉そうに!」
「調子に乗るなっ!」
小僧の一人が地に落ちている石を私に投げつける。
血が滴り落ちる。
こうして石を投げつけられるのに慣れたのはいつの頃からだろうか。
従えば済むのだろうが、それだけは何故か許せなかった。
「親に捨てられた役立たずが!」
「いっそ生まれてこなければよかったのにな!」
心が痛む。
親に情などないが、少なからず愛されたかったとい願望はあった。
親は、私など要らないから捨てた。
ごみのように。
「ははっ!返す言葉もないってか?」
「この忌み子が!」
そう言って小僧共が私に暴力を振るってくる。
応戦しようにも小さくひ弱な身体で多勢に勝てるはずもなく、さされるがままに殴られる。
下らない人間の戯言に傷つくなど馬鹿げていると己を律したはずなのに、何故こんなにも心が苦しい。
何故、私がこんな目に遭わなければならない。
何故、何故…?
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作者名:まんじゅう | 作成日時:2021年9月16日 22時