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雪の降る寒い朝。

今はまだ静けさが広がる大阪城の冷たい廊下を足早に歩く。

昔からの日課である早朝の鍛錬を行う為に道場へと向かう。

道場内の清掃を終えた女中と挨拶を交わし、少し身体を動かしてから素振りを始める。


『はっ!てやぁっ!!』


素振りを始めてから半刻経った頃、身体中が汗だくなのに気がついた。

集中し過ぎて気づけなかったが今更だ。


「毎朝鍛錬とは、殊勝だねA君」

『おはようございます、義父上』

「あぁ、おはよう」


私は幼い頃、村人を巻き込む大きな戦で親を亡くした。

暴力を振るわれ愛情向けられた記憶がないから悲しいなんて感情は沸かなかった。

その後すぐに竹中家の養子となり、彼、竹中半兵衛の娘となった。

私を育ててくれたこの方の役に立ちたい。

その一心で剣を振るい、鍛錬を重ねてきた。

その甲斐あってか、十五になる頃に闇婆娑羅の力を手に入れる事ができた。

その後も鍛錬を重ね、着々と力をつけてきた。

行ってきた努力と力を認められ、女でありながらも戦に出ることを許された。


半「A君。もうすぐ朝餉の時間だし今日はそこまでにしたらどうだい?久々に共に食べよう」

『…!はいっ!!』

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作者名:まんじゅう | 作成日時:2021年9月16日 22時

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