第55話「待機組の逆襲」 ページ8
「はー、何も教えてくれないんだAは」
「残念無念。寂しさ半分」
「んじゃあ、もうご飯食べようか一松」
「そーだねえチョロ松兄さん」
そう言って、私から離れて自分たちの席に戻って行った2人。
他の4人はもう既に待機している。
「いただきます」と声をそろえて手を合わせた兄たちの横で私はポカーンとアホ面を晒した。
………ファッ?
「おい、Aに何を……」
「躾みたいなもんだよカラ松。又の名を放置するアレ…みたいな」
「又の又の名を焦らしちゃうアレとも言う…邪魔すんなよクソ松」
こっちへ来かけたカラ松兄さんを止めて、何かを囁いたチョロ松兄さん達。
「なるほど、こういった方法もあるのか…」と呟いて、自分の場所へ戻ったカラ松兄さんだが貴様何を言われたんだ。さっさと私を助けろよストーカーから救ったみたいに。
「チョロ松兄さん、お腹すいたんだけど」
「へー…あ、コレ美味しい」
「アッ今日唐揚げなんだ、嬉しい。ちゃんと私の分も残せよって聞いてる?ねえ」
「うんまーー!!マジこれ絶品ですやん一松兄さん!」
「せやなー。コレ食べれんとは人生の大半損しとるわ」
「うん、私も損したくない。ねえ本当に残せよ?衣カスだけだったらお前ら許さんからな」
手を必死に動かすもピクリとも動かせず、うぐおおおと呻きながら外そうとする私の前で唐揚げがどんどん消えてゆく。
それと同時に腹が鳴った。
すげえ恥ずかしい。この椅子ごと私を誰か埋めてくれ。
「くっっっそがァァァァ!!!!離せ!!つーか外せよこれ!!!私に唐揚げ寄越せえええアアアアアアアア!!!!」
結果的に私は吠えた。
獰猛な肉食獣みたいになったが気にしてない。
目の前でエサ(唐揚げ)が存在するのに手をつける事すらままならないこの状況!!地獄!!!
この手足が引き千切れてもいいから唐揚げ食いたい!!!!
「トッティ!!頼むからこれ外してお願い!!!」
「ごめんA!少しでも隙を見せるとコレ無くなっちゃうから手を離せない!」
「ど畜生おおおお長男!!頼む!!!」
「いいぜ、今度俺に金くれるなら」
「アアアア死ね!!このろくでなし!!!」
ぐぎゅるるるる、と音が鳴り、とうとう疲れ切った私は大人しくなった。
「やっと言う気になったか?」みたいな感じでこちらを見る緑と紫(黄はどうでも良さげに唐揚げ食ってる)。
第56話「妹さん、取り乱す」→←第54話「女には隠したい秘密が一つ二つ有るものよ」
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こま - シンプルに言って好きです!カラ松のちょっと病んだ系のギャップえぐすぎて口から内蔵でましたwガチ、永遠に続いてほしいです!すべてが完璧すぎてもう毎日満面の笑みで一日を過ごしています!w続き楽しみに待ってます!!! (10月25日 19時) (レス) @page43 id: aa7af232a4 (このIDを非表示/違反報告)
みみ - めっちゃ好きです!!れお願いします!!!続き待ってます!!! (8月30日 22時) (レス) id: a39746ca53 (このIDを非表示/違反報告)
桃 - 超おもろい………続き待ってます!!!! (5月20日 23時) (レス) @page43 id: 4a7b17e5bc (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - 続き待ってます···! (2022年4月7日 22時) (レス) id: a82882ac10 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらっち - 本当にもう好きすぎます... (2022年3月27日 1時) (レス) @page43 id: ab3ad11547 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱんこ | 作者ホームページ:
作成日時:2016年3月28日 16時