第77話「この大空に、翼を。」 ページ33
「あっぶねえ…あと少しで炎症起こすとこだったわ」
お腹を押さえてそう呟いた。
トイレで用をたす時、手錠がつけられたままなのでジャージが下ろせず悪戦苦闘した結果ほんの少しだけ危うかった。
でも足が自由だってのはいい!幸せ!
このまま何処かへ飛んで行ってしまいたいわ!!
「ください〜〜翼を〜〜、私の願いよ叶え〜らーららーるるるー」
「なんか怨念が込められた呪詛が聞こえるんだけど」
「この歌を聴いたね?残念!貴方は呪われます。それが嫌なら20人の人間に同じ曲を歌って聴かせなさい。
生き残るために他の者を犠牲にしな!!!」
「扉閉めるよー」
「ごめん。閉めたら私一生入れな…待てよ?このまま逃げてやろうかな?私そもそもSNS以外スマホ使わねーしいいかもな」
「……ん、あーいいんじゃない?
あの病みまくってるヤツから逃げれるなら、さ。」
ミシッ
腕に強い違和感。
てか痛い。誰かに掴まれて…いやいやまさかそんな。
骨が軋むような音が聞こえた。
思わず頰が引き攣り、脂汗が額に流れる。
「…A、何処へ行くんだ?」
「……アッハハハ。いやー、ね?ちょっと外の空気でも吸おうと…新鮮な酸素を補給…して……うんすみませんでした」
最後らへんはほぼ涙ながらに話した。
こいつマジで容赦ない。腕が今捥げそうなぐらい握られて凄く痛い。
腕痛いです…とちょっぴり泣きながら訴えてみると「そうか。」とだけ返された。
あれ?私の心の叫びが聞こえてない?コイツひょっとして私の事嫌い?
「今度、少しでも逃げる素振りを見せたら…もう俺無しじゃ生きていけない身体にするぞ」
しかも恐ろしい事を宣言されたお。
ガチトーンだったので信憑性高し。
脳内でカラ松兄さんに狂ったように縋り付きながら生きる自分を想像したら凄くゾッとした。
「分かったか?」と何故か優しく聞かれたので必死に首を縦に振った。
そんな事になったら、それこそ「死んだ方がマシだ」ってやつです。
Aちゃんはそんな女にならないぜ!と固く心に誓いながら、兄に腕を引かれながら廊下を進んだ。
…と、いうよりも…おい四男。
何途中から存在感消してんだこの野郎、てめえミスディレなんか出来ないだろ?
特に最後に目があった時の「頑張れよ(グーサイン)」には殺意が湧いたから、てめえが買い貯めた煮干しは全て私の胃袋の中に消えていると思え。
第78話「よし分かった戦争だ」→←イラスト、頂きました!×15
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こま - シンプルに言って好きです!カラ松のちょっと病んだ系のギャップえぐすぎて口から内蔵でましたwガチ、永遠に続いてほしいです!すべてが完璧すぎてもう毎日満面の笑みで一日を過ごしています!w続き楽しみに待ってます!!! (10月25日 19時) (レス) @page43 id: aa7af232a4 (このIDを非表示/違反報告)
みみ - めっちゃ好きです!!れお願いします!!!続き待ってます!!! (8月30日 22時) (レス) id: a39746ca53 (このIDを非表示/違反報告)
桃 - 超おもろい………続き待ってます!!!! (5月20日 23時) (レス) @page43 id: 4a7b17e5bc (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - 続き待ってます···! (2022年4月7日 22時) (レス) id: a82882ac10 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらっち - 本当にもう好きすぎます... (2022年3月27日 1時) (レス) @page43 id: ab3ad11547 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱんこ | 作者ホームページ:
作成日時:2016年3月28日 16時