次男からの愛が重すぎて、妹である私の胃は持ちそうにない。3【おそ松さん】

第69話「なんて息苦しい夜なんだ」 ページ24

数分経って、何処かスッキリした様子のカラ松兄さんが帰ってきた。






「さて…もう寝るか。Aが寝るまで俺が子守唄を歌ってやる」






そう言って、私を布団へゴロゴロ転がすと兄さんはその横に寝転がった。


なんだこれ。

しかも子守唄だと？馬鹿か、私の年齢幾つだと思ってるんだ。





「いいよ要らないよ、私って確実ノンレム睡眠系女子だから、放っておけばすぐ深い眠りに就くし。
だから安心して自分の部屋に行ってくれ。つか逆に戻ってくんな」


「フッ…遠慮なんかしなくていいさ。
ほら…ねーんねーん…ころりよころりー、よーしよーし…と」


「なんだか漂う昔臭！あとイケボなのが腹立つ！！
アッでも割といいなこれ。低音最高。よしその調子で歌え。ついでに拘束外せ」



「逃げないという証に指三本くれるなら」



「フゥ、今夜はいい夢が見られそうだ…すみませんお休みなさい」



「ああ、お休み。いい夢を」





ヤーさん方で言う「指を詰める」行為をすると脅された為、私は急いで目を瞑って夢の国の入場口へと走った(某ネズミの国ではない)。


でも、まさか少し抵抗しようとするだけで指詰められそうになるとは思わなかったわ。
さすが兄弟の中で怒らせたら怖いNo. 1。






隣の低音ボイスで再生される子守唄(ただし強制)を聴きながら、私は固く目を瞑る。




布団越しにお腹らへんをゆっくりさすられてるのもまた…割と……


でも途中で布団内へ手が侵入し、我がパジャマを捲って直で腹を触ってきたのでそれは容赦なくダブルスレッジハンマーを極めた。脳天への華麗なる一撃。


これは幾ら何でも(自称)慈悲深い女神の私でもキレるよ。
お年頃の乙女と同じ布団に入る上に肌を直接触るだと？なんて不埒な！




…あれ？今時の女子高生って「不埒」って言葉使うっけ？
それにこんなプロレス技取得するっけ？



………ま、いっか。

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