第59話「虐げる者、虐げられし者」 ページ12
「…んで、要するに…ずっと前からストーカー被害に遭っていて、僕たちに何も言わずにそのまま過ごしていたと。」
「ハイ…そうです。…あの、答えたのでまた御慈悲を…」
「…一松」
「あいよー」
ホレホレと目の前に唐揚げが差し出され、一瞬でバクムシャァと食った。
今の私に人間らしさなど必要ない。
青い奴(敢えて名前は伏せる)がワクワクしながらこちらを見ているが、何でか分からないのでとりあえず目は合わせないようにした。
てか唐揚げマジうま。
冷めてるけど流石だねマミー美味しいよと台所に向かって叫んだら「当たり前でしょ!」と返された。
「…なるほどね。
まあ…そういう事なら仕方ない、か…」
「?」
何かをボソッと呟いたチョロ松兄さん。
すると、彼は静かに私に近づいて来た。
「なな、なんですか兄さん私はもう結構吐きましたよ!これ以上言うものは……っ!?」
ジャキン。
いつの間にか手にしていたハサミ(かなり大きい)で、私を拘束していた縄を無言で断ち切った。
急に解き放たれてビックリする私。
そして、何故かムンクの叫びのような顔になった一松兄さん。
あっ…これ一松兄さんの物だからか。
だが私は、そんな事など気にも留めずに机に向かってダッシュした。
そして、後少ししかない唐揚げを手掴みで引っ掴んで食った。
マジで美味かった。
「コラA!手で掴んで食べるとは何事だ!ワシはそんな行儀の悪い娘に育てた覚えは無いぞ!!」
「ごめん父さん!でも私父さんにそんな教育受けた覚え無いし、あったとしてもハッキリ言って母さんの方がメチャメチャ印象に残ってる」
唐揚げをもさもさ食いながらそう伝えると、台所から母親の高笑いと父親の「これだから影の大黒柱は辛いんだ!!」という涙ながらの叫びが聞こえた。
やはりここはかかあ天下なんだな。納得。
「でも箸は使いなさい。アツアツの唐揚げ耳に突っ込むわよ」
「すみませんでした」
松野家は今の所、この母親に支配されております。ひー恐ろしや恐ろしや。
第60話「明日に向かって御祈りをしようか」→←第58話「ボロが出るのは早かった」
3942人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こま - シンプルに言って好きです!カラ松のちょっと病んだ系のギャップえぐすぎて口から内蔵でましたwガチ、永遠に続いてほしいです!すべてが完璧すぎてもう毎日満面の笑みで一日を過ごしています!w続き楽しみに待ってます!!! (10月25日 19時) (レス) @page43 id: aa7af232a4 (このIDを非表示/違反報告)
みみ - めっちゃ好きです!!れお願いします!!!続き待ってます!!! (8月30日 22時) (レス) id: a39746ca53 (このIDを非表示/違反報告)
桃 - 超おもろい………続き待ってます!!!! (5月20日 23時) (レス) @page43 id: 4a7b17e5bc (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - 続き待ってます···! (2022年4月7日 22時) (レス) id: a82882ac10 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらっち - 本当にもう好きすぎます... (2022年3月27日 1時) (レス) @page43 id: ab3ad11547 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぱんこ | 作者ホームページ:
作成日時:2016年3月28日 16時