第无伍話『暗闇の中で』 ページ9
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「駄目だもう起き上がれない。あんな奇行晒した私なんてもうダメだ、生きていけない。あのまま頭蓋割られて死んでないかな、現実の私」
暗闇の中、何故か意識がある状態で、私は先程の状況を思い出し蹲っていた。
「お前は何をしているんだ」
後ろから声が聞こえた。
時々脳内で、早鐘の如く鳴り響く声。
先程まで鬱陶しく鳴り響いていた声。
「うっせー!!お前のせいだろ!!お前があの子殺せって言うから、また勝手に動かそうとしたから!あーするしか方法が思いつかなかったんだ!!」
「鬼は殺せと前に言ったはずだ」
「その後に「手当たり次第には殺さない」って言ったじゃん私!!」
「鬼に善悪の区別などない!何故分からない?お前は何度も殺されかけただろう!?」
「でも、あの子は違う!見て分かった!!あの子は
「っ、鬼は鬼だ、滅ぼさなければ我ら人類に未来はない!」
「あったまかってぇ奴だな!!!お前も炭治郎くんに頭突きされてこい!!少しは柔らかくなるぞ!!」
「……大体な、さっきから年上の俺に向かって「お前」とは何だ?お前の数倍は生きてんだぞこっちは!!」
「知るか!!誘拐犯に敬う気持ちなんて無いわ!!」
「俺は誘拐してねえ!!!輪廻の狭間でウロチョロしていたお前の魂をこっちに連れてきただけだ!!!」
「立派な誘拐じゃねえか!!!」
なんだこれ、ホントなんだこれ。
暗闇の中、ハァハァと息を荒らげ、ようやく目の前の男と対峙した。
白髪の男。背丈は私より頭一個分高い。
「………確かに、確かにお前には申し訳ない事をしてしまったとは思う。反省もしている。でも後悔はしていない。俺の「継手」はお前で確定していたからな」
「ふざけんな勝手に決めやがってこの野郎。ていうかさっきの口調どこ行った?堅っ苦しい感じどこ行った?」
「………あの鬼の娘を殺せ。何のために俺の願いをお前に託したと思っている」
「嫌だ!!!」
「殺せっつってんだろ!!!」
「口調!!口調が行方不明!!!」
「殺せよ!!!」
「嫌だって!!なんでそんなに鬼を嫌ってるのか知らないけど、無闇矢鱈に鬼を斬れば良いってもんじゃないだろ!人間なら、良い鬼か悪い鬼の判断ぐらいしろ!!そんなことも出来ないなら、アンタが嫌う鬼と一緒だぞ!!!」
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えのぐ(プロフ) - 初めまして!もうこのコメント欄みないかもですけど一応言っておきます…百弍話の最後「異性には厳しい」と書いてありますが同性では…?細かいかもしれませんが…!この作品大好きですん。更新頑張ってください…! (2019年9月18日 19時) (レス) id: 6a2a84fe35 (このIDを非表示/違反報告)
シアン(プロフ) - 今日1日で全部読んでしまいました()好きです!これからも更新頑張ってください! (2019年7月29日 20時) (レス) id: 8d130acbce (このIDを非表示/違反報告)
衣鶴奈(プロフ) - 夢主ちゃんが本当に面白すぎて1話ごとに必ず笑ってますwwめちゃくちゃ面白いです!更新頑張ってください! (2019年7月29日 11時) (レス) id: 8c5e0feeb8 (このIDを非表示/違反報告)
ニコ - コメント失礼します。この作品が面白すぎて、全然原作知識ないのに壱から1日で読んでしまいました!!番外編も含め、続きすっごく楽しみにしています!! (2019年7月27日 22時) (レス) id: 8f71767d1e (このIDを非表示/違反報告)
棒人間 - 初めまして。この作品、とっても面白いですね!たまたま見つけて読んだのですが、この作品で鬼滅の刃の夢小説に目覚めました。応援しています!頑張って下さい! (2019年7月25日 21時) (レス) id: 804948c577 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱんこ | 作成日時:2019年7月21日 9時