第无参話「華麗なる美少女」 ページ7
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そして静かに箱が開いた。
途端に大騒ぎし出した善逸くんが「まままま守って!!俺を守って!!」と叫びながら寝ていたいのっちに近付けば、当たり前のように「こっち来んな!!」と蹴飛ばされていた。
そして何故か今は私を盾にする始末である。
「おい、おい?善逸くん?おい、なぁおい」
「だっだっだっ大丈夫きききき君の事はおおおおお俺が守守守守」
「ついにバグったか善逸くん」
箱から手が伸びた。
ぺた、と地面に付いたその手は爪が長く、華奢である。
そして箱から姿を見せたのは、何とも可愛らしい女の子だった。
「へ?」
「襧豆子!」
「ねずこ」と呼ばれたその少女は、ゆっくりとした動作で箱から出てくる。膝を付けた状態から、これまたゆっくりとした動作で立ち上がれば、先ほどより背丈が伸びたような錯覚がした。
そしてここに、可憐なる美少女が姿を現した。
ミシリ、と己の握った拳から音が鳴る。
いや美少女、だけど。違う、これはあの時のような嫉妬ではない。
後ろから「えっ……」と善逸くんの素っ頓狂な声が聞こえたが、この際無視する。
この脳が「鬼」と認識してしまった。
目の前の、花のように美麗な女の子を、「鬼」と!この脳が!
「………っえ、今の音、Aちゃん……?」
「オラァ!!!」
思い切り正拳突きを落とした。
突然の事で「ヒィ!?」と怯えた善逸くんに、ではない。
己の未だヒビが入っている足目掛けて、である。
「……〜〜〜っ!!!っっ!!っあ、ッ……〜〜!!!」
足から変な音がした。
あまりの痛さに悶えた。
周りの彼らは、私の奇行とも思える行動に唖然するばかりである。
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えのぐ(プロフ) - 初めまして!もうこのコメント欄みないかもですけど一応言っておきます…百弍話の最後「異性には厳しい」と書いてありますが同性では…?細かいかもしれませんが…!この作品大好きですん。更新頑張ってください…! (2019年9月18日 19時) (レス) id: 6a2a84fe35 (このIDを非表示/違反報告)
シアン(プロフ) - 今日1日で全部読んでしまいました()好きです!これからも更新頑張ってください! (2019年7月29日 20時) (レス) id: 8d130acbce (このIDを非表示/違反報告)
衣鶴奈(プロフ) - 夢主ちゃんが本当に面白すぎて1話ごとに必ず笑ってますwwめちゃくちゃ面白いです!更新頑張ってください! (2019年7月29日 11時) (レス) id: 8c5e0feeb8 (このIDを非表示/違反報告)
ニコ - コメント失礼します。この作品が面白すぎて、全然原作知識ないのに壱から1日で読んでしまいました!!番外編も含め、続きすっごく楽しみにしています!! (2019年7月27日 22時) (レス) id: 8f71767d1e (このIDを非表示/違反報告)
棒人間 - 初めまして。この作品、とっても面白いですね!たまたま見つけて読んだのですが、この作品で鬼滅の刃の夢小説に目覚めました。応援しています!頑張って下さい! (2019年7月25日 21時) (レス) id: 804948c577 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱんこ | 作成日時:2019年7月21日 9時