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卌玖、『何かが切れた音がした』 ページ5

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「また君は嘘を吐いた」



唇を離し、彼は呟いた。



「いや嘘じゃないよ、本当だって」

「……君の本当の恋人の為に使う事が?」

「そう。だから」



「じゃあどうしてこんなにも怯えた音が聞こえるんだよ」



彼の手が私の胸に触れた。
心臓。ばくばくと音を立てる心臓の上に、彼はそっと手を置いた。



……、……言葉を聞いただけで無意識に呼吸が乱れていたらしい、



「…………怯えてないよ」

「嘘吐き。こんなに音を出しておいて良く言えるね」

「嘘なんてついてない」

「Aちゃん」

「怯えてない」

「……Aちゃん」





__________君は嘘吐きだ





「……ッ怯えてないっつってんだろ!!!!」



どん!と彼の身体を突き飛ばす、筈だったけど少し蹌踉めいただけだった。鍛え抜かれたであろう固い腹筋に殺意が湧いた。

上半身を起こして布団を引っ掴んで包まる。それでもどうしようもなく身体が震え出した。



「知ったような口聞くな!!私の何を知ってんだよお前は!!!ウザいんだよそういうの、何様なんだよ、鬱陶しい!!聞いてんのか!!!」



彼は至近距離で喚かれ顔を歪めながらも「聞いてる」と答えた。律儀に反応すんじゃねーよ!!!耳良い癖に、顔もそんな歪めといてさ!!



「怯える訳がない!!あんなクソ野郎の、あんな女の扱い分かってない暴力クズ野郎に私が屈する訳がない!!!」

「うん」

「うんじゃねーよ返事は「わん」だ言ってみろ駄犬!!!」

「……わん」

「良し!!」



彼の頭を引っ掴んでわしゃわしゃ撫で繰り回す。彼は特に何も言わず寧ろされるがままだったので、やりたい放題である。



「ばーか!!お前もアイツもばーーか!!!ブツだけ一丁前に大きくてさぁ!!無遠慮に突っ込んで私が嫌でも善がれば喜ぶ単細胞がさぁ!!ほんとばーーか!!!」



ぼこんぼこんと彼の腹を殴る。それでも彼は何も言わず、目を閉じたまま私をじっと見つめるだけだった。



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虚、『爆ぜる』→←卌捌、『化けの皮』



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設定タグ:鬼滅の刃 , 我妻善逸 , トリップ   
作品ジャンル:恋愛
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葵羽〜best friend group〜(プロフ) - 善逸の誕生日ということで、「善逸君はぴば!」のお話を見にきました…何回読んでも面白い…凄く好きです…! (2020年9月3日 14時) (レス) id: bccf6ec4c9 (このIDを非表示/違反報告)
- 面白いです!更新頑張ってください! (2019年9月17日 20時) (レス) id: 5aaa39b99e (このIDを非表示/違反報告)
もこ - とてもすき! (2019年9月17日 12時) (レス) id: fcbb1370f0 (このIDを非表示/違反報告)
まえむ - え、鴉かっけぇ…続きが気になりすぎます!!!更新頑張ってください!! (2019年9月17日 1時) (レス) id: 572cac2bfb (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 更新ありがとうございます!何だかハラハラする展開…!続きも気になります(o>ω<o) (2019年9月15日 5時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぱんこ | 作成日時:2019年9月1日 11時

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