【銀魂】今日も傘屋は騒がしい【坂田銀時】

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そうこうあって2人で1つの傘に入ったのだが、これがなかなか狭いもので。
お互い肩の辺りはもう雨に濡れてしまっている。


そして何よりショックだったのは。






『...旦那って、こんなに背高かったんですか』





「お前が小さいだけじゃねぇの」





『や、私155ジャストですから！！！』





「俺は四捨五入すると180だけどな」





『いつからそんなに差が！！？』






今まで身長差なんて意識した事は無かったのだが、こうして同じ傘に入ると嫌という程よく分かる。
まさか20cm近く差があったなんて思いもしなかった。






「つーか逆に、お前こんなに小さかったんだな」





『いや、旦那が大きいだけじゃないですかね』





「あれ、なんかこの会話デジャヴ？」






いつものように、なんの変哲も無い話でお互い笑い合った。
変わらず雨は振り続けていたけど、旦那が隣に居るってだけで、いつの間にか気にならなくなっていて。







『...散々文句言ってましたけど、相合傘ってのもそう悪くないもんですね』





「...そうかよ、俺は肩ずぶ濡れで最悪な事この上ないけどな」







その言葉がただの照れ隠しなのか本心なのかは分からないけれど。

...旦那の緩んだ口元がこの目ではっきり見れたから、まぁよしとしよう。








「...何一人でにやけてんだ気持ち悪ぃ」





『すいません、色々旦那が可愛いかったもんでつい...』





「よし分かった今すぐこの傘から出ろ」





『嘘ですごめんなさい！！！！』







そんな会話を繰り広げながら思った。


どうにも私達は、長い月日を過ごしているとつい、色々な事が当たり前になってしまうようだ。






『...あの旦那、照れくさいこと言いますけどその、
いつもありがとうございます』





「...あぁ、こちらこそ」







こうして自分の隣に旦那が居ることがどれほど有難い事なのかすらも、たまに見落としがちになってしまう。


＿＿＿そんな大切な事を気付かせてくれるのも、相合傘のひと味違った醍醐味なのかもしれない。

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