22 世間話は背中から ページ23
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その質問には答えず、
こちらも彼女の方へ視線を向けた。
「...もう休めっつーお前の気遣い掻き消すような事言って悪いんだけどよ。
こっちも一応商人だし、中途半端に仕事するってのは性にあわねぇわけ」
『...要するに?』
彼女の印象的な赤い目が悪戯に光る。
...意地の悪い女。
大体の女は分かってても黙って首傾げてるってのに、これだから可愛くない。
「...社長が代表して、残業も承ってやるっつってんだよ。
分かってるくせに言わせんな」
『言わせるだなんて人聞きの悪い』
くすりと笑いを溢し、
立ちっぱなしの俺に「入れ」と手で合図する。
再びあの作業部屋へと戻り、
互いに背中を向け合うように腰を下ろした。
『...旦那、変な気起こさないでくださいよ?』
ふと思い出したようにも、タイミングを伺っていたようにも聞こえるその言葉。
顔が見えないこの状況ではどちらか分かりゃしないが、こちらから振り向くのもアイツの思惑通りなんじゃないかと思うと、何処か悔しい気持ちがあった。
まぁどちらにせよ、彼女がからかっている事に変わりはないだろう。
「...安心しろ、お前みてぇな色気も女子力も胸も皆無な女、襲う気になんてなんねぇから」
『オイ、今さり気なく胸っつったよな』
「断じて違います今の胸は心の方で!!!!」
背中越しにくだらない会話が飛び交う。
年下馬鹿女の生意気発言に苛立つ反面、
これ以上居心地の良い空間はそう無いだろうとも思ってしまうから、実に悔しい。
___すると、ふいに左肩に手が置かれ。
何かまずい事でも言ってしまっただろうか、と焦りながら振り向けば、Aはそんな俺の反応を楽しむように笑った。
『...ていうか旦那、さっきから余裕そうに喋ってますけど、ちゃんと出来てます?』
「ったりめーだろ、お前こそさっきからベラベラ話続けてっけど、手元狂ってねぇだろうな?」
『狂うなんて絶対有り得ませんから!
ド素人が生意気な口叩かないでくださいよ』
「はっ、よく言うぜド後輩が」
経験より年齢だろうが、とついでに付け足せば
じゃあ初心者高齢の教師とベテラン若手の教師、どっちが給料高いんですか、と投げやりな質問が。
答える気も失せたのでガン無視しておいた。
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スージー・ズー - すみません!間違えました!銀ちゃんサイコー!って書こうとしたんですけど…笑 (2017年8月10日 21時) (レス) id: 277f6daa72 (このIDを非表示/違反報告)
スージー・ズー - んサイコー! (2017年8月10日 21時) (レス) id: 277f6daa72 (このIDを非表示/違反報告)
きょう - めっちゃ面白いです!!!銀ちゃんかわいい(((o(*゚▽゚*)o))) (2017年5月18日 21時) (レス) id: 667d20a7e0 (このIDを非表示/違反報告)
気空(プロフ) - 漆黒のラーメンさん» ありがとうございます!! 頑張りますね( ´-` )*゚ (2017年4月1日 12時) (レス) id: f4d2ff8c45 (このIDを非表示/違反報告)
漆黒のラーメン - クッソおもしろいです!!!!! 頑張ってください!(*´∀`) (2017年3月31日 19時) (レス) id: dd18b39158 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:気空 | 作成日時:2017年3月20日 18時