アイドルの恋愛事情。

▼腫れたひふの紫だけが彼の知る幸福だった 朔間凛月 ※閲覧注意 ページ44

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ねぇ｡…ばき｡凛月くん｡…どご｡黙ってるだけじゃ分からないよ｡ばきんばこん｡
何か言ってくれないと､その分ロールキャベツを沢山作らなきゃいけなくなるから､勘弁してくれないと｡ぶつぶつ何か言っているようだけれど､何も聞こえないし､分からない｡本当に馬鹿な凛月くん｡凛月くんがそんなだから､フライパンがイカれてしまった｡先刻も言ったけれど､これ一応高かったのに｡でも､もうそんなことはどうでもいいか｡



『大丈夫？凛月くん｡ゆっくりでいいよ｡喋ってごらん』

｢ぁ､……ご､ごめんな､さ…ぃ｡ごめん､なさ｣



ふぅん｡謝っちゃうのね｡認めるのね｡
一瞬でも､私よりあの子の方に気持ちが向いちゃったこと､事実だと認めてしまうのね｡…そう｡そう｡…へぇ｡そうなの｡どごっ｡

ふふ｡いいよ｡
凛月くんが本当に大好きだから､これで許してあげる｡本当に､昔からしょうがない子だなぁ､凛月くんは｡私が怒るまで､なんにも気付かないんだから｡



大好きよ｡大好き｡
私､あなたが好きよ｡凛月くん｡

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