☆☆変わり者☆☆ (ページ48)

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赤葦side

『……電気がついてない。
誰もいないのかな』

Aの家まで着いた。

『…ねぇ、京治。
部屋の中まで……着いてきてくれないかな……？』

そう言って、服の袖をすこし掴んだ

こんな時にまで、可愛いと思ってしまうのは重症なのかもしれない

赤葦｢いいよ｣

不安なんだろう。
俺に出来ることは限られるし、ないに近いから

こんなことで、力になれるならいくらでもついて行く。

階段をのぼりAの部屋へと向かう

前に来た時より綺麗になっていて
真ん中にカバンが2つ置いてあった。

『忘れ物………は……ないね』

多分、もうこの家には帰らないってことなのだろう。

少しだけ、袖を握る力が強くなった

赤葦｢……大丈夫？｣

『うん、大丈…夫。

行こ！』

赤葦｢……無理して笑わなくて大丈夫｣

『京治………』

不安……なのだろう。

『……大丈夫。本当に行こう』

階段を降りて、Aは鍵を閉めた。

そして……

『……さようなら』

ポストに鍵を入れて、もう自分では取れないようにした。

赤葦｢じゃあ……行く？｣

『……本当に、いいの？』

赤葦｢うん。歓迎だっていったじゃん｣

そっか、と、少し微笑んだ気がした

Aは袖を掴んでた手を離し、俺の手に移動した。

さっきまで、嫌がってたのに。

なんて思ったけど、嬉しい方の気持ちが勝ってしまった。