狂ったブラッジャー03 ページ16
「マダム・ポンフリー先生、急患です」
「...そこのベッドを使ってちょうだい」
「わかりました」
マダム・ポンフリーは二人の状態を訝しげに見ながら指示すると、セレナは漸くハリーを降ろした。
「セレナ、あの、僕...」
「大丈夫。着替えはもうすぐでロンが着くだろうから、手伝ってもらって」
「いや、そうじゃなくてさ。その...」
話の途中に扉の開く音が聞こえたが、ハリーは意を決して尋ねた。
「君の...セレナの僕ってどういう事？」
「...？」
「さ、さっき、セレナが言ったんじゃないか！《私のハリーに》って」
一体どう言う意味なの？と聞くと、セレナは目をパチパチと瞬きすると首を傾げた。
「そんな事言ったかしら？」
「そんーーー」
「はいはい、ハリー。貴方は早く着替えて、セレナはこっち！」
ハリーが抗議しようとすると、ハーマイオニーが間を割って話を中断させた。
ロンがハリーを着替えさせるために中へ、ハーマイオニーはセレナを引っ張ってカーテンの外に追いやった。
「罪な女だよな、まったく。...それにしても最高のキャッチだったぜ」
「うん。ありがとう、ロン」
二、三言会話して着替え終わると、丁度よくマダム・ポンフリーを連れた女子陣がカーテンの向こう側から現れた。
「骨折なら一晩、安静にしていれば治るでしょう」
《安静》の言葉を強調してマダム・ポンフリーが薬を出して出て行くと、セレナもそれに倣って出ていこうと足を向けた。
「待ってよ、セレナ」
セレナのローブの裾を掴むと、セレナは立ち止まった。
しかし、その表情は見えない...。
「あの...まずは、ありがとう。セレナの言う通り、守ってくれなかったらロックハートに骨抜きにでもされちゃう所だった。あとコリンの事も...」
ありがとうともう一度礼を言うと、セレナは小さく頷いた。
「...ハリーも、ナイスキャッチだったわよ」
小さく横向いたその表情から覗かせた唇は、少し弧を描いていた。
スラリとハリーの手からローブがすり抜けると、セレナは後から来たクィディッチチームと入れ違いで出て行ってしまった。
最高だった、ナイスファイトとチームからの賞賛の雨嵐に、ハリーはセレナと仲直り出来ずに沈んでた気分が少し和らいだが、フレッドが話した「フリントに怒られたマルフォイ」の話を聞いてまた気持ちは沈んでしまった。
きっと今頃、セレナはマルフォイの所にいる...。
そう確信に近いものを感じていた。
ズキズキと、骨が折れた腕よりも痛む胸を抑える。
「......僕の隣にずっといてよ、セレナ」
いつしか芽生えたこの独占欲は、徐々に少しずつ育っていったーーー。
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レン(プロフ) - 葵さん» 葵さんコメントありがとうございます！コメント頂けるだけで励みになります✨️GW明けたので更新頑張っていきます！ (2023年5月8日 7時) (
レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
葵 - とっても面白いです！更新頑張ってください！（文章短くてすいません） (2023年5月6日 20時) (レス) @page34 id: 20e1982af2 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - みーさん» みーさん、コメントありがとうございます！これからも執筆頑張ります！！ (2023年5月1日 7時) (レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
みー - むちゃくちゃサイコーです！ (2023年4月29日 20時) (レス) @page32 id: 3d403f2132 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - レイさん» レイさん、コメントありがとうございます！出来るだけ違和感が出ないようにと心掛けてるので嬉しいです☺️これからもよろしくお願いします！ (2023年4月24日 6時) (レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レン | 作成日時：2023年3月18日 7時
