狂ったブラッジャー04 ページ17
セレナは医務室を出ると、その足を寮ではなく船乗り場に向けた。
出来るだけ物音を出さずに石壁から顔を覗かせると、ドラコがベンチに座って顔を手で覆い下を向いていた。
セレナはそんなドラコを見て出ていこうか迷っていると、小さなため息が聞こえた。
「セレナ、居るんだろ」
確信を持ったその言い方に、セレナはバレてたかと眉を八の字にした。
「...そっちに行っても？」
「良くなかったら無視してる」
「...じゃあ、遠慮なく」
ドラコと一人分のスペースを空けベンチに座ると、ドラコはガバッと勢いよく顔を上げた。
少し目尻が赤いのは見て見ぬふりをした。
「セレナ」
「なに？」
「...僕はどうすればアイツに勝てると思う？」
ギュッと握りしめた拳を震わせるドラコに、セレナは残酷なことを言うようだけどと前置きをした。
「彼はセンスがあるわ。箒の扱い方もそうだけど、身体全体を使って何としてでも勝とうとする意志も強い...」
ドラコは悔しそうに顔を歪める。
しかしセレナをジッと見つめるその目に、諦めるような情けない意志は存在しなかった。
「ただ、欠点をあげるとすれば...それは《目》よ」
「目...？」
「そうよ。今日の試合なんて特にそう。眼鏡があるから視界はいつもより最悪だったと思うわ」
セレナの言葉に考える素振りを見せるドラコに、セレナは最大のヒントを与えた。
「練習の時、私が先に見つけた時の勝率は八割よ」
「...そうか」
ドラコは何かを察すると、元気を取り戻したようだった。
垂れた前髪を後ろにかきあげ真っ直ぐにセレナを見つめた。
「次は勝つ...勝ってみせる」
「お生憎様、次もグリフィンドールが勝つわ」
互いの拳がトンと合わさる。
それは正々堂々と戦うことを決めた二人の証だーーー。
「ーーーそういえば、良いのか？」
「何が？」
首を傾げたセレナに、ドラコは訝しげな目を向けた。
「だってポッターは骨を折ってただろう？」
「ん、まぁ...そうね」
濁した返事をするセレナの態度に、ドラコは呆れたとばかりに溜息を吐いた。
「なんだ。まだ喧嘩してたのか」
「だってハリーが！...ハリーが、頑固なのが悪いのよ」
セレナの口からは、原因がドラコだと言うことを言えなかった。言ってしまえば、ドラコとの今まで培ってきた関係性が変わってしまうのではと考えていたからだ。
そんなセレナの心配をよそに、ドラコはセレナの額を指で弾いた。
突然の痛みに驚くと、ドラコは何もかもお見通しだったようで小さく微笑んだ。
「
.....僕とセレナは《友達》さ、誰がなんと言おうとね」
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レン(プロフ) - 葵さん» 葵さんコメントありがとうございます！コメント頂けるだけで励みになります✨️GW明けたので更新頑張っていきます！ (5月8日 7時) (
レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
葵 - とっても面白いです！更新頑張ってください！（文章短くてすいません） (2023年5月6日 20時) (レス) @page34 id: 20e1982af2 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - みーさん» みーさん、コメントありがとうございます！これからも執筆頑張ります！！ (2023年5月1日 7時) (レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
みー - むちゃくちゃサイコーです！ (2023年4月29日 20時) (レス) @page32 id: 3d403f2132 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - レイさん» レイさん、コメントありがとうございます！出来るだけ違和感が出ないようにと心掛けてるので嬉しいです☺️これからもよろしくお願いします！ (2023年4月24日 6時) (レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レン | 作成日時：2023年3月18日 7時
