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物語の始まり01 ページ1

「あらあら、起きたのね私の可愛いお姫様」
「まんま、まんま」
「ええ、ママですよー」

昔、とある湿地帯の一角に《幻想郷》と呼ばれる場所があった。
そこは、エメラルド色の大きな池には色とりどりの蓮の花が咲き誇り、中央にある桟橋はポツンと建っている白い小さな家に向かって伸びていた。
そんな幻想的な風景の中、まだ若い母親と赤子が住んでいた。

母親は艶やかな赤い髪に青い目をしており、その母親を知るものは「慈悲深く損をするタイプ」「美人で可愛らしい」「賢いのに鼻につかない」「明るく太陽のような人」だと言う。

そんな彼女の名前は、ローズ・ウィンクルム。

ウィンクルム一族は魔法界では有名な旧家であるが、聖28一族に名乗り挙げず辞退を申し込む変わった一族だと言われている。
ーーーそれは、皆に知られてはいけない《秘密》があったからだ。

「痛っ…」
「まんま?」
「大丈夫よ。また《未来が視えた》だけだから」

母の不調を按じる赤子の頭を優しく撫で、ローズは机に向かって手紙を書き出した。

その文面は十枚にものぼる長文で封筒が膨らんでいたが気にもとめず、フクロウを呼び出しては手紙を渡して外へと手放した。


ーーーウィンクルム一族は、一人に一つだけ、あらゆる能力が与えられるーーー


この事が知られれば、魔法界のパワーバランスが崩壊するとさえ言われているのだ。
この秘密を知っているのは、今の時代では本人と血族者、そしてーーー


「ダンブルドア校長…。娘をどうか、お守りください。」


昔通っていた学校の校長先生。
一癖も二癖もある人だが、この魔法界で最強と謳われる人でもある。
そんな人物に娘に対するお願いごとを書いた手紙を送ったのだ。

ーーーそう、彼女は死を受け入れていた。

窓際に置かれた卓上型カレンダーの今日の日付には大きな丸が付けられていて、カレンダーの隣にある白い百合は綺麗な花瓶に活けられてるものの、じわじわと紅く染まってきていた。

その二つをぼんやりと見つめては悲しい顔をして、ローズは今日で一歳の誕生日を迎える娘に言った。

「貴女を残していくのは心残りだけど…。でもね、大切な友達と貴女の未来の友達を守ってみせるわ。…許して、セレナ」


そう言ってローズは、娘を一人置いて何処かへと消え去った。
ーーーそして、彼女はこの家に戻ってくることは無かった。

物語の始まり02→



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レン(プロフ) - 潤華さん» 潤華さん、初コメありがとうございます!お褒めの言葉嬉しいです☺️引き続き、応援よろしくお願いします! (2月5日 7時) (レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
潤華 - とっても面白いです!!!♡♥ (2月4日 20時) (レス) id: 9eceefbc71 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - カケオレさん» コメントありがとうございます!この時代にもニュートが居たので是非からませたいと欲望が出てしまいました笑今後も出てきますので楽しみにしててください! (2023年3月20日 21時) (レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
カケオレ - ニュートが出てきた瞬間叫んでしまいましたよ (2023年3月20日 7時) (レス) @page11 id: 1b32a494c8 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - †NANA†さん» ご指摘ありがとうございます!遅ればせながら修正致しました(^^) (2023年2月10日 20時) (レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:レン | 作成日時:2022年7月3日 9時

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