４. 三人の会話 ページ6
シ「だって……とても素敵で。
ここにいるのは、本当に僕がよく知っているあなた？
この仮面を取ったら、いつの間にか女神様と入れ替わっているんじゃないですか？」
シーノさんが私の仮面に触れて言った。
『からかわないでください……』
シ「からかっていません。ねぇ。仮面を外してもいい？」
『は、はい』
シーノさんが私の仮面を外した。
シ「よかった……やっぱりあなただ。でも、外す前よりもっと綺麗です。
月明かりのせいでしょうか。瞳がキラキラして、今にも吸い込まれそう。
ずっとこうして見ていたい……」
レ「こらこらこら、シーノくん。
いつまでも仮面を持ってないで、妹に返してくれるかな」
お兄様が私の仮面をシーノさんから受け取った。
シ「え？ あ、そうでした。つけなきゃいけないんですよね。
でも……もったいないなぁ。こんなに素敵なのに」
『でも、仮面舞踏会ですから』
シ「仮面がなかったらマスカレイドにならない？
そうですね。だけど、もう少しだけ、あなたの顔を見ていたいんです」
レ「もしもーし、そろそろ行かないと舞踏会が終わっちゃうんじゃないかなー」
シ「ふふふ。
レイジーったら。そんなに早く終わりませんよぉ」
レ「ははは。ところでシーノ。今日は眼鏡どうしたの？ 仮面の下？」
シ「いえ。そうすると被れなくなっちゃいますから。
この仮面、レンズが入ってるんですよ。外してみますか？」
えっ…;;
レ「いいよいいよいいよ。気持ちだけで充分」
シ「そうですか。じゃあ、いきましょうか」
「さて……いよいよ始まったみたいだね。
幼馴染みの三人を、果たして何が待ち受けているのか。
ボクもそろそろ支度をしなくちゃ。
仕事の準備があるからね」
続く (更新停止中)
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作者名：ようかん | 作成日時：2016年9月26日 16時
