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40化け物 ページ41

ノックがされてから暫く、Aは返事もせずただ戸を見つめていた。息をするのも忘れそうなくらい、静かな時間だった。

「Aちゃん、いる?」

心拍数が上がり、汗が酷くなる。戸の向こう側にいる人の正体はわかっていた。

貴「…白澤様、ですか」

白「…!居るんだね?入っても…」

貴「だめです!!」

バンッ、と激しい音が辺りに響いた。Aが床を叩いたのだ。札の力などもう効力はないのだろう。

鬼「落ち着いて下さい、Aさん」

貴「!?何故鬼灯様が!!」

Aは鬼灯の存在に過剰に反応した。だけどそれは単に鬼灯が嫌いだからではなかった。寧ろ好意を抱いていたからこそ、傍には来てほしくなかった。

貴「帰って下さい…っ」

鬼「はい、わかっています。ですが確認したいことがあるんです」

Aは顔を上げた。

貴「…確認?」

白「うん。その、足を見せてほしいんだ」

貴「足を?」

Aの、声色は不安そうだった。それを汲み取ったのか、白澤も鬼灯も無理に言うことはしない。

貴「…………両足ですか?」

白「う、ううん、右足だけ。………いいの?」

貴「見せたら帰ると約束して頂けるなら」

白澤は少し考えた後、答えた。

白「…わかった」

すぐに戸が数十センチ程開けられ、真っ白な脚がするりと現れる。その時垣間見えたAの顔に鬼灯も白澤も一瞬目を疑った。

真っ黒な瞳に真っ黒な髪。暗闇のせいでもあるのだろうが、肌以外は黒く染まって見えた。対照的に肌は恐ろしい程に白く、それはこの世では見てはいけないもの、酷く言えば化け物のようだった。

白「少し、触るね」

そう言って脚に触れるとAの身体は強張り、見ている鬼灯にも緊張が走る。

白「……はい、ありがと」

白澤が手を離すとすぐに脚は暗闇に戻された。

鬼「では、私たちは帰ります。また来ます」

もう来ないでほしい、とAは思ったが、その言葉が口から出ることはなかった。


___________
更新遅くて申し訳ありません。
たくさんのコメント、評価、お気に入りありがとうございます。

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(プロフ) - ハル@雪割桜さん» コメントありがとうございます!私も泣くと思います(笑)でも、罵られるのもいいかも(( (2014年12月21日 22時) (レス) id: 44f16ce612 (このIDを非表示/違反報告)
ハル@雪割桜(プロフ) - 白澤様も鬼灯様もおやさしい!!自分こんな優しくされたら泣くわ← (2014年12月20日 11時) (レス) id: 9e20382275 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ハル@二次元から戻れなくなった奴さん» 愛莉ちゃん、諦めてくれるでしょうか(・・;)コメントありがとうございました! (2014年12月18日 2時) (レス) id: 44f16ce612 (このIDを非表示/違反報告)
ハル@二次元から戻れなくなった奴(プロフ) - 愛莉てめェェェェェェェェェェさっさと諦めろォォォォォォォォォォ鬼灯様は夢主様が好きなんだぞォォォォォォォォォォ(怒) (2014年12月17日 19時) (レス) id: 9e20382275 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 雷風神 凪響 ーraihuuzin naotoーさん» ありがとうございます!その言葉に涙が出そうです…っ!すごく励みになります(^o^)更新急ぎます! (2014年12月16日 7時) (レス) id: 44f16ce612 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2014年9月15日 18時

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