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35逃げ場所 ページ36

白い清潔な布にくるまれて兎は眠っていた。白澤の迅速な処置が功を成し、命に別状はなかった。

鬼「…白澤さん」

鬼灯が先程の髪飾りを手にし、白澤に呼び掛ける。白澤は返事もせず振り返った。

鬼「…これ、Aさんのものですよね」

どこか不機嫌な白澤をよそに、鬼灯は髪飾りを見せた。白澤の顔色が変わる。

白「これ…どこで?」

今にも噛みつきそうな勢いで白澤は鬼灯を睨み付けた。その態度に鬼灯は呆れるように息を吐いた。

鬼「…白澤さん、今はその態度やめて頂けませんか?私がAさんにしたことを怒っているのでしょう。…後でいくらでも怒ってもらって結構ですので今はちゃんと話をして下さい」

白澤は暫く考えた後、「わかった」とだけ言い、鬼灯を椅子に促し自分も座った。

鬼「桃太郎さんは?」

白「…配達に行ったよ」

鬼「そうですか」

暫く二人とも無言のまま時間が過ぎた。白澤は髪飾りをいとおしそうに、そして悲しそうに見ている。

鬼「…その髪飾り、怪我をした兎の側に落ちていたんです」

白澤が鬼灯を見る。

白「お前はAちゃんがやったと思ってるの?」

鬼「思っていません」

すぐにきっぱりと答えた鬼灯に対し、白澤は少し驚く。

白「へえ、意外。疑ってると思った」

鬼「疑ってはいませんが…やはり確証が欲しい」

白「…確証?」

鬼「根拠や証拠もないまま、何かを決めつけるのはしたくないので」

鬼灯は言いながら考える。あの時も愛莉をAが刺したという確実な証拠は無かった、それなのに最初から疑ってかかってしまった、と。

鬼「Aさんは昔自分自身に呪いをかけたという神様ですか?」

白「…ああ、うん。聞いたんだな」

鬼灯は「やっぱり」と目線を落とした。

鬼「ということは、もしAさんが兎を傷つけた本人ならばAさんの足に同じ傷があるはず」

白「…そうなる、けど」

鬼「けど?」

白「Aちゃん自体見つかる気がしないんだけど。…向こうから出てくることもないと思うし」

鬼「…ああ、それならおおよそ見当はついています」

白「は?」

そんなわけない、とでも言いたげに白澤は呆れながら笑った。鬼灯は首をかしげる。

鬼「多分現世の森にいると思いますよ。あの、小さな祠があるところです」

白「…なんでわかるんだよ」

白澤は納得いかなそうに腕を組む。あまり信じていない様子だ。

鬼「彼女、そこに逃げ込む癖があるようで、嫌なことがあればすぐに隠れていましたよ」

白「…ふーん」

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(プロフ) - ハル@雪割桜さん» コメントありがとうございます!私も泣くと思います(笑)でも、罵られるのもいいかも(( (2014年12月21日 22時) (レス) id: 44f16ce612 (このIDを非表示/違反報告)
ハル@雪割桜(プロフ) - 白澤様も鬼灯様もおやさしい!!自分こんな優しくされたら泣くわ← (2014年12月20日 11時) (レス) id: 9e20382275 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ハル@二次元から戻れなくなった奴さん» 愛莉ちゃん、諦めてくれるでしょうか(・・;)コメントありがとうございました! (2014年12月18日 2時) (レス) id: 44f16ce612 (このIDを非表示/違反報告)
ハル@二次元から戻れなくなった奴(プロフ) - 愛莉てめェェェェェェェェェェさっさと諦めろォォォォォォォォォォ鬼灯様は夢主様が好きなんだぞォォォォォォォォォォ(怒) (2014年12月17日 19時) (レス) id: 9e20382275 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 雷風神 凪響 ーraihuuzin naotoーさん» ありがとうございます!その言葉に涙が出そうです…っ!すごく励みになります(^o^)更新急ぎます! (2014年12月16日 7時) (レス) id: 44f16ce612 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2014年9月15日 18時

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