34見覚えのある ページ35
鬼灯said
檎さんと話した後、すぐに桃源郷に足を向けた。不本意だが、自分より長く生きている白澤さんに聞くしかない。
天国への門をくぐり、桃源郷が見えてくる。雨上がりだったためか草花はキラキラと輝いて見えた。
鬼「……？」
極楽満月の店が見えてきた頃、異変に気づく。
−兎がいない。
いつも店の外で働いていた従業員の兎たちが１羽も見当たらないのだ。
変に思いながらも、足を進めた。
鬼「………あ」
店の前まで来ると、やっと兎たちが見えた。だが様子がおかしい。まるで何かを取り囲むように１ヶ所に群がっていたのだ。
鬼「あなたたち、何をしてるんですか？」
そう言うと兎たちが一斉に私の方を見た。その兎たちに囲まれていたのは−
鬼「…！？」
真っ赤に、というよりも赤黒く染まった"何か"だった。
鬼「なんですかこれは！」
慌てて駆け寄りその"何か"をよく見ると、ぐったりとした１羽の兎だった。出血のもとは多分足だろう。
鬼「白澤さんを呼んで下さい！」
自分では対処できないと判断し、他の兎に白澤さんを呼ぶよう声を上げると店の扉が開いた。
白「ちょっとなんの騒ぎ…………−っ！！」
気だるそうに出てきた白澤さんはすぐに顔色を変え怪我を負った兎に駆け寄る。
白「僕の部屋の棚に白い箱があるから取ってきて！」
白澤さんが私に指示する。いつもなら絶対に従わないが、今は一刻を争う状況だ。そんなことは言っていられない。
鬼「わかりました」
すぐに部屋に向かい指定された白い箱を取り白澤さんのもとに戻る。
白「大丈夫だから、動かないでね」
手際よく兎を手当てしている様子を見ながら側にいた兎たちに何があったのか聞いた。
すると１羽の兎が手に持ったもの差し出す。綺麗な髪飾りだった。
鬼「落ちていたのですか？」
兎は首を縦に振り、私から離れた。
渡された髪飾りをじっと見る。
鬼「これは…」
見覚えのあるものだった。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿
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このお話も終わりに近づいております。遅筆ではありますが、たまに覗いてやって下さい。
【追記】一匹→１羽に訂正しました。
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和(プロフ) - ハル@雪割桜さん» コメントありがとうございます！私も泣くと思います(笑)でも、罵られるのもいいかも(( (2014年12月21日 22時) (
レス) id: 44f16ce612 (このIDを非表示/違反報告)
ハル@雪割桜(プロフ) - 白澤様も鬼灯様もおやさしい！！自分こんな優しくされたら泣くわ← (2014年12月20日 11時) (レス) id: 9e20382275 (このIDを非表示/違反報告)
和(プロフ) - ハル@二次元から戻れなくなった奴さん» 愛莉ちゃん、諦めてくれるでしょうか(・・;)コメントありがとうございました！ (2014年12月18日 2時) (レス) id: 44f16ce612 (このIDを非表示/違反報告)
ハル@二次元から戻れなくなった奴(プロフ) - 愛莉てめｪｪｪｪｪｪｪｪｪｪさっさと諦めろｫｫｫｫｫｫｫｫｫｫ鬼灯様は夢主様が好きなんだぞｫｫｫｫｫｫｫｫｫｫ(怒) (2014年12月17日 19時) (レス) id: 9e20382275 (このIDを非表示/違反報告)
和(プロフ) - 雷風神 凪響 ｰraihuuzin naotoｰさん» ありがとうございます！その言葉に涙が出そうです…っ！すごく励みになります(^o^)更新急ぎます！ (2014年12月16日 7時) (レス) id: 44f16ce612 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和 | 作成日時：2014年9月15日 18時
