24今さら ページ25
貴「…どういうことですか？」
鬼灯の口から出た言葉を上手く呑み込めず、Aは次の言葉を待った。
鬼「…初めは罰を受けてもらうつもりで、たくさんの案も出ていました。…ですが」
貴「…なんなんですか」
鬼灯は大きくため息をついてから、言葉を続けた。
鬼「愛莉さんが反対したんですよ」
貴「……………………は？」
鬼「'私はもう大丈夫だから"と」
意味がわからない、とAは思う。愛莉が何をしたいのか全く見当がつかなかった。
貴「…私はどうすればいいんでしょう」
罰を受けないとなれぱ、またAの行くところはなくなる。今、愛莉が何を企んでいるか考えるよりこれから先のことを考える方がAにとっては憂鬱だった。
鬼「ご自由にどうぞ。まあ無罪になったとはいえ、地獄にはいられないでしょうが」
貴「…わかっています。ここにいるつもりはありません」
鬼「ならば白澤さんのところに行かれては？」
デリカシーの無さは本物だな、とAは拳を握りしめた。
貴「天国の方にも行きません」
鬼「なら何処に？」
何処に、と聞かれて下を向く。行く宛などない。
貴「…………」
鬼「何の意地か知りませんが、もう天国へ行きなさい」
貴「だから私は−」
反論しようと顔を上げたAは言葉を失った。
鬼灯の顔が、酷く歪んでいたから。辛そうに、悲しそうに。
鬼「…何故あんなことをしたんですか…？」
"あんなこと"とは愛莉のことだ。Aの胸がキュッと苦しくなる。
貴(…私のこと、信頼してくれてたんだなぁ)
信頼していた分、裏切られたショックは大きくて。
Aはようやく、鬼灯も傷ついていたことに気づいた。
鬼「愛莉さんと友達になりたかったんですよね」
Aの肩が小さく跳ねた。
貴「何故それを」
鬼「お香さんに伺いました。…彼女はずっと貴女を信じています」
懐かしい友人の名前にAは心が温かくなるのを感じ、胸元に手を当てる。
鬼「…Aさん」
貴「……はい」
鬼「すみませんでした」
貴「えっ」
ますます意味がわからない、と困惑する。
貴「な、何の謝罪なんですか」
鬼「あの時、頬を叩いたことです」
貴(ああ、あの時の)
正直なんと返せばわからないまま、再び俯いた。
暫くの沈黙。
その空気に耐えきれず、口を開いたのはA。
貴「気にしていません。…あの、もう行きます」
鬼「何処に行くんです？」
貴「わかりません、けど」
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和(プロフ) - ハル@雪割桜さん» コメントありがとうございます！私も泣くと思います(笑)でも、罵られるのもいいかも(( (2014年12月21日 22時) (
レス) id: 44f16ce612 (このIDを非表示/違反報告)
ハル@雪割桜(プロフ) - 白澤様も鬼灯様もおやさしい！！自分こんな優しくされたら泣くわ← (2014年12月20日 11時) (レス) id: 9e20382275 (このIDを非表示/違反報告)
和(プロフ) - ハル@二次元から戻れなくなった奴さん» 愛莉ちゃん、諦めてくれるでしょうか(・・;)コメントありがとうございました！ (2014年12月18日 2時) (レス) id: 44f16ce612 (このIDを非表示/違反報告)
ハル@二次元から戻れなくなった奴(プロフ) - 愛莉てめｪｪｪｪｪｪｪｪｪｪさっさと諦めろｫｫｫｫｫｫｫｫｫｫ鬼灯様は夢主様が好きなんだぞｫｫｫｫｫｫｫｫｫｫ(怒) (2014年12月17日 19時) (レス) id: 9e20382275 (このIDを非表示/違反報告)
和(プロフ) - 雷風神 凪響 ｰraihuuzin naotoｰさん» ありがとうございます！その言葉に涙が出そうです…っ！すごく励みになります(^o^)更新急ぎます！ (2014年12月16日 7時) (レス) id: 44f16ce612 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和 | 作成日時：2014年9月15日 18時
