逃亡(少年期) ページ43
翔side
俺の我儘で始まったフルーツ飴作り
でも、相変わらず兄達の携帯は鳴り止まない
ﾋﾟﾘﾘﾘﾘｯ
ﾌﾞｰｯﾌﾞｰｯ
潤「だぁー！うるせぇ！」
和「上司の次は同僚かよ」
雅「ま〜た電話だよ」
智「送信したのに何で鳴り止まねえんだ！」
本当に忙しそう
俺の携帯も勿論鳴ってる
通知がね。電話は基本でないから
女の子達からの心配メールが凄い
返信すると後々厄介だから無視
「にぃ、飴今度でいいよ。俺、友の所行くから」
潤「あ、ちょっと！」
和「翔ちゃん！」
雅「園長、それはまた今度でいいですか？」
智「電話切るわ。末っ子が怪我してんのに外行った」
にぃ達の言葉は聞こえてた
傷も痛むけど…飴なんて買えばいい話
フルーツ飴…どっか売ってるだろ
「はぁっ…はぁっ…」
友「あれ？翔？」
「友っ！」
友「何？急ぎ？」
「いっ！」
友「どうした？」
公園に居た友に倒れかかる感じで止まった
傷がズキズキと痛む
友「何かあったのか？」
「地震で怪我してさ…にぃ忙しそうだし、俺我儘言ったし…」
友「何て？」
「甘えてって言ったから…飴食いたいって…作ろうって話になったけど…電話鳴り止まないからさ、どっか売ってるだろって」
友「心配してると思うぞ？」
「分かってる。でも、こんなん作る暇あったら仕事関連終わらせてゆっくりして欲しいし。」
友「お前はさ、昔から変わんねぇよな」
「え？」
友「自分の事は後回しで、人優先」
「それが普通だろ？」
友「いや、大概自分優先だよ」
「でもさ…」
友「でもじゃねぇよwほら、迎えが来たぞ」
「迎え？」
俺は友が指さす方向を見た
そこに居たのは息を切らした兄達だった
智「見つけたっ！」
雅「翔ちゃん、帰ろ？」
和「友君も、一緒か」
潤「おいで、帰ろう」
俺は動けずに居た
だって、仕事は？
兄達は、歩道を渡って此方に来る
友に助けを求めようと当たりを見渡すが居ない
その代わり携帯に通知が入った
友「貸し１な？」
彼奴らしい…
「飴は、仕事とか落ち着いたらでいいよ」
潤「材料あるし、今から作ろう」
和「心配しなくても今から暇だよ」
「え…」
俺のせい？
俺が出てったから？
雅「翔ちゃんのせいじゃないよ？」
智「仕事関連終わったよ」
「終わった？」
智「そ、ぜ〜んぶ終わった」
雅「だから、今から作れるよ」
本当に終わってんのか？
帰ったらまた電話鳴るんじゃ…
和「ふふっ、コレ見て？」
そこには和君の同僚さんが、(仕事終わったな〜これから数日暇だぞ)って書いてあった
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作者名：シュガーsweet | 作成日時：2021年4月22日 0時
