続・地獄の沙汰も貴方しだい【鬼灯の冷徹】

惑わせたい、今日この頃(４) ページ10

あ「う"ぅーーーーーん、どうしたものか…」


Aは妙なうなり声をあげながら、夜更けの閻魔殿の廊下を歩く
端から見ると少々おかしな光景だが、幸い辺りに人気は無い

色々と考えた結果、何となく作戦らしきモノは思い付いたが……それを実行に移すのは照れくさく、どうにも実行にうつせずにいる

しばらく暗がりでざわめく金魚草を眺めていたAだったが、大きなため息を一つついた後、自室へと戻りはじめた



部屋の前で、廊下に目を向けると
長い廊下の向こうに鬼灯の姿が見えた


━━何で、このタイミングで来るかなぁ……
これは…………作戦を実行に移すチャンス？！


自室に戻る所だったらしく、こちらに歩を進めていた鬼灯はAの姿に気付くと、ふと雰囲気を柔らかくした

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少し、会話を交わした後

いつものように頭を撫で
自室へと向かおうとする鬼灯の背中に

Aは意を決して声をかけた



鬼「どうしました？」



振り向く鬼灯に近付くと

首に手を回し、顔を引き寄せ

そのまま一瞬だけ唇を重ねた



あ「お休みなさいっ！」



きびすを返して部屋に戻ろうとしたAは、腕を取られ鬼灯の部屋へと引き入れられた

そのまま扉に押し付けられ………唇が重なる


鬼「Aが悪いんですよ…」


ほとんど唇が重なった状態で、鬼灯は低く呟く

いつもと少しだけ違う様子に…怯んで離れる前に、再び唇がふさがれる


これまでとはとは違う長い口付けに、息を止めていられなくなり、呼吸しようとすると

自分でも驚くほど甘い声が漏れた

口付けはますます激しくなり、気付けば自分もぎこちなくそれに応えていた


不意に唇が解放されると

膝から崩れ落ちそうになったAは、慌てて鬼灯にすがり付き、胸元に顔を埋めた


鬼「すみません……ちょっと、欲求に負けてしまいました」


優しく髪を撫でながら
鬼灯は、すまなそうにAに謝った


あ「謝らないで下さい。緊張してしまうだけで……鬼灯さんになら、触れられるの好きですよ」

鬼「A、意味…解って言ってますか？」

あ「……？？」

鬼「まったく、貴女という人は……いつも私を惑わせる」



その言葉の後

Aは再び唇を奪われる事になった

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