【呪術廻戦】 これは、君を想うまでの物語

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「■■■■■■■■■(どうやらここまでのようですね)」


”帳”が上がり五条悟の侵入を許したことで幕引きを悟った花御は木の根を自身の周囲に出現させ覆うように動かしていく。戦いの愉悦を知ったこの戦闘をここで終わらせるのはもうこの両者と相まみえ、同じ感情を味わう機会を失うのと同義。それでも現在の局面で争い続けるのは以ての外と判断した。

けれど、それは仲間を害された虎杖にとって激情を溢れさせるには充分で。


「■■■■■■■■■■■■■■■■(引きます。五条悟を相手にする程傲っていない)」

「ざけんな！！何がしてぇんだよテメェらは！！」

「虎杖(ブラザー)」


思わず走り出し攻撃を加えようとする虎杖を腕を前に広げ静止させる。同等の感情を抱いているだろうと思っていた東堂のその行為に動揺の声を上げた。だが、東堂は理解している。止めなければならないと認識している。これまで負わせた手傷と後もう少しで祓えるだろうという敵を前にして追撃を仕掛けてはならないと。

どうか留まってくれブラザー、俺はオマエを、


「東堂、なんで止める！！」

「それ以上進むな。＿＿＿巻き込まれるぞ」


死なせたくないから。







「虚式”茈”」


術式順転”蒼”、術式反転”赫”。その両者を合わせた複合術式。五条家の奥義と言われるその呪術は五条家に属した人間でもごく一部しか知らない秘蔵技。効果は、順転の”蒼”と反転の”赫”を掛合わせることで生じる仮想の質量を押し出す。見ることも触れることもできない”重さ”だけが回避できない程の速さで飛んでくるのだ。

逃げが上手い相手にはこれ以上ないくらい適切。呪詛師のいた地点から木々を消し飛ばし標的に襲いかかった影響で土煙混じりの爆風が周囲に吹き荒れる。顔を覆い凌いでいた虎杖は目を開けて見えた光景に口をあんぐりと開いて呆然とした。だって、あんまりにも。


「相変わらず、規格外だな。これでは祓えたかどうかも分からん」


虎杖と東堂の立っている少し先、花御がいた場所には直線で地中深くまで抉れていた。それは五条の位置からずっと続いている。悲鳴を響かせる呪詛師を文句を言いながら拘束する楽巌寺を横目に五条はサムズアップで快哉を叫ぶ。


「一件落着！！」

「(ってわけにはいかないか)」







「花御は無事かな…。任務完了っと」


傍らには肥大化した頭部の人間。悠々と袋を手に持った真人が同士の安否を気遣った。

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