【呪術廻戦】 これは、君を想うまでの物語

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形勢逆転した花御の背後に玉犬”渾”が詰め寄った。その爪でもって切り裂こうとした瞬間、姿がかき消える。攻撃を加えられてはいない筈。自ずと導き出された結果に真希が冷や汗を流した。


「(破壊された！？いや、恵の術式が解けたのか！！)」

「■■■■■■■■■■(もう呪術は使わない方がいい)」

「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■(アナタに打ち込んだ芽は呪力が大好物。術を使う程肉体の奥深くへ根を伸ばす)」


呪力を術式に流そうとすればその呪力を吸い取り浸食していく。根が深く入り込んだ暁には取り除くのも難しいだろう。あえて教えるのは、術式開示の増強と切羽詰まった者の一矢報いてやろうと術式を発動させる意図を読んだから。この種子の効果は呪術師のみならず呪霊に対しても効く。呪力の塊である呪いに打ち込んだ時の影響を考えて夏油は笑みを深めた。


「御親切に！！どうせ殺すつもりだろ」

「■■■■■■■■■■(説明した方が効くのが早いらしい)」


そう告げた花御に”游雲”が突き出される。例え片腕を負傷していても伏黒が動けずとも黙ってみている訳にはいかない。その思いで身体を突き動かす真希に思わず賞賛を送った。







「■■■■■■(よく動けますね)」


勢いをつけて振り回した”游雲”が花御の腹に叩きつけられる。甚爾程の威力はないが十分傷を負わせることは出来る。けれど、怪我の痛みや思うように上がらない肩では。


「■■■■■■■■■■(だが先程のキレはない)」


伸びた木が首と手首を拘束するように巻き付き宙に浮かぶ。衝撃で眼鏡が吹き飛び花御を視認することも不可能。この状態を打開する策はなく打撃を加える”游雲”や呪具も手には持っていない。まさに、詰み。でも、この土壇場で諦める術師はいなかった。汗を噴き出し血を吐いて伏黒は行動を起こす。


「(呪力を振り絞れ…。腹が裂けても！！俺は皆とは違う。守る人間を選ぶ。俺が一番背負っていない！！だから！！)」

「(俺が先に倒れるなんてことは許されねぇんだよ！！)」

「あ”あ”あ”ぁあああ”」


「＿＿＿もう良いよ、よく頑張ったね」

「オマエらにしてはやった方だろ」


真希を持ち上げていた樹を”鎌鼬”が絶ち夏油が抱えて救出。甚爾も伏黒の腹に触れないように片手で持ち上げその場から飛び退く。十分戦った。戦線離脱だ。後は、

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