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おにぎり宮 ページ5

駅までの道を歩きながら、眩しいほどの夕陽に手をかざしてみる。
一週間ほど前に変えたばかりの、お気に入りのネイルが光に当たってキラキラしていた。


あの人の手も、磨き上げられた爪先がキラキラしていた。長くて綺麗な指だった。
それでも、触れたその手は思っていたより硬くて、ゴツゴツしていた。



夕陽に照らされた手が、何だか熱く感じて慌てて引っ込めた。







宮選手と別れた後、わたしはすぐに仕事に戻った。
あの出来事なんて思い出す暇もないくらい動いていたのに。
会場の復元作業に走り回っている途中で、インタビューを受けている選手陣の中に、宮選手を見つけた。


宮選手に負けず劣らずの身長、体格、迫力の男達の中にいる彼に、やっぱりな、と思った。




アリーナ裏の冷えた廊下でわたしと並んでいるより、たくさんのカメラと光を向けられて、チームメイトと笑っている彼の方がしっくりきた。

あの瞬間が、異質だったんだ。




そう思うと、やっぱりあれはもったいないことをしたのかもしれない。電車を乗り継いだ先、見慣れた駅の改札を出ながらそんなことを考えた。









『こういう日は、美味しいものを食べるに限る!』






過ぎたことを考えても仕方がない。
よし、と一人で気合を入れて、スマホの地図アプリを開いて歩き出した。

今日のお昼を食べた時から、夜ご飯を食べる場所は決めていた。





おにぎり宮。
今日、会場で差し入れとしてもらったおにぎりのお店。

忙しい中での貴重な休憩時間に、コンビニのおにぎりをぱくつく感覚で一口食べて、その美味しさに圧倒された。
お米の炊き加減から、握り具合、具の味付けと量まで、全てがドンピシャだった。




すぐに調べたら、まさかまさか、わたしの家の近くで経営している個人店だと判明した。ならばもう、行くしかない。
そう決めてからずっと、夜ご飯を楽しみにしていた。

ネットでメニューも見て、食べたいものの目星もつけている。






『にしても、最寄り駅のこっち側って初めて来たかも』






最寄り駅から、家と反対方向に歩いて約5分。
メイン通りから一本外れた通りに「宮」の文字を見つけた。

黒い暖簾に書かれた、丸に囲われた白いその文字に、あの冷えた廊下を思い出した。

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さな(プロフ) - ラブリーハートのプリキュアさん» ラブリーハートのプリキュアさん、ありがとうございます!身に余るお言葉、、嬉しいです😂侑くんらしさを出せるよう頑張ります!ぜひよろしくお願いします! (2023年3月6日 19時) (レス) id: ee78dfa46a (このIDを非表示/違反報告)
ラブリーハートのプリキュア - 初めの文から好きです。なんかもうあの語彙力が神ってて!!表現の仕方が好きです。まさかこのシリーズに侑君が出るとは。頑張って下さい! (2023年3月5日 9時) (レス) @page1 id: 0b96e038f3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さな | 作成日時:2023年3月5日 0時

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