拝啓、愛する人へ【まふまふ】

梅 ページ3

目の前には緑の風呂敷を持った

小さな少女が一人





『あ 実は久々にここに来て』

「ほー そうなのですか
ならよければこれもらってくださいな」


すっと持っていた緑の風呂敷を

私に差し出した


『え！？悪いですよせっかくここまで持って来たのに！』

「いいんです 僕は毎年ここにこれあげてるので
それに 久々に来てくれたんです 神様も嬉しいことでしょう」


ニッコリと笑う少女

確かにそうかもなぁと少し流されながら


その風呂敷をもらった


『これ何が入ってるんですか？』

「みてみます？」


そう言って少女は風呂敷を取る

中に入っていたのは中くらいの壺


その蓋を開ければ



『梅…？』

「そうそう梅だよ
二十年も漬けた 最高傑作の梅です」

『いいんですかそんなもの貰っても』

「僕が貰ってっていうんだから貰って？」


そうやって少女から梅をもらったが


後々考えたら

あの少女は一体何歳なのか？




あの梅を少女が作ったなら

20歳以上ということだし



でもあの容姿は明らかに十代くらいだし……



不思議な子だ









「どうだったメープル」

「まぁ 君が気にいるのはわかるね
いい子だし」

「だろうね」

「そうだけどなんで梅なんか渡したの？」

「結婚祝い」

「結婚祝いが梅……」

「何？もずくにでもしとこうか？」

「いえ 梅の方が手間かかってていいです」



神とその子供が

神社の上で話し合っていた

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