悪夢再び ページ21
部屋で一人、私は唸っていた。
手元には例の手紙。
そう、またゲームへのお誘いが来た。
だが現在私がいるのはハンター達の屋敷。
もしハンターとして参加しろ、とかだったら…と恐れ、手紙の中身を見ることができなかった。
でも、
『もし、これが皆の所に戻れるチャンスだったら…』
そもそもゲームに参加しなければ家へ帰る事すら出来ない。
結局、手紙を読む以外私に選択肢は残されていないのだ。
封を開ける音が部屋に響いた。
________
「貴方、次のゲームに参加が決まったんですってねぇ」
「…私の身体に巻き付くのをやめて貰っても良いかイドーラ」
指摘されれば「あら、」と大人しく離れて行く。
トカゲのような姿をした男は安堵の溜息を吐いた。
「何か不満でもあるのか」
「だって次のゲーム、あのコが参加するんでしょう？」
「…あぁ、あの"迷い人"か」
読んでいた小説を閉じ、表紙を眺めれば「気でも会うかと思ったんだが」と零す。
くすくすと魔女が笑えば不思議そうに首を傾げた。
「それがどうした？」
「あのコ、私の
なんて"らしい演技"をすれば乾いた男の笑いが聞こえてくる。
自分の"主"を馬鹿にされたように感じた"娘"が構えるがその"主"はやめるよう命じた。
「どうせ最初以外は嘘だろう。…まぁ安心しろ、私はあの子を傷付けるつもりは無いよ。純粋に帰りたがっている少女を傷付ける程腐った心は持っていない」
「まぁ、貴方にもそんな心が残ってたのね」
そう笑われ、男は自身の尻尾を不機嫌そうに揺らす。
「誰の所為だと思っている？それに、あの子が君の手に掛かって仕舞えば、どうなるかわからない。少なくとも私は君の考えには不賛成だ」
立ち上がり部屋を後にしようとする男。
魔女はそれを大人しく見守っていた。
「"息子"がね、言ってたの。そう遠くない未来に私の娘が増えてしまうだろうって」
そう呟いて、魔女は消えた。
「…、迷惑な"息子"だ。梟だけでなく、予言でも私を不快にさせるとは」
「ゲーム前に、友人になれるといいが」
そうして男、ルキノはAが住まう部屋へと飛んで行った。
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