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次の日、比呂美と修平が揉めたことなんて知らない私は普通に登校して、玄関で騒ぎになっていることに気がついた。
「柚葉ちゃん……」
みんなが私の方を向く。
私は何が何だかわからず、みんなの方を見ていた。
比呂美が吹っ飛ばされて、修平が殴ったんだとわかって私は
「ちょっと修平、いくらなんでも無関係な人に殴りかかるなんて……流石にやりすぎだよ！」
と叫ぶと、
「うるせぇな、お前も殴られたいのか？」
「比呂美には殴る必要ないでしょ！？」
いーや、必要ありだ、と修平は言う。
「こいつはお前とオレが別れればいいって言いやがったんだ、お前はちょうど使いやすい人間だからそんな話はゴメンだが」
ここまで言われて何も感じないわけがない。
「……最っ低！」
思わずバシンッと本気でビンタした。
修平は呆気に取られている。
「比呂美、立てる？」
「……ごめん、無理」
私は修平の首根っこを掴んで言った。
「……比呂美に謝って」
「は、はぁ？なんでオレが」
「謝って！じゃないと別れるよ！」
「……っち、お前ら……？！」
修平が驚いているので私も後ろを向くと、私の両親がいた。
まだ言っていなかったが、今日は参観日なのだ。
「……どういうことかな、修平くん」
「女の子を殴ったり利用したり……女の子はアナタの道具じゃないのよ、これだから年頃の男の子は」
親にはいい顔しか見せていなかった修平は縮こまっている。
「柚葉、もういいよな？」
「アナタの幸せは、この子では叶えられないわよ」
私は比呂美に肩を貸しながら
「修平、いくらなんでもやりすぎ……別れて。さよなら」
修平から追っかけてくることはなかった。
比呂美は昨日修平と話をしていたことを教えてくれた。
「ごめんね、怪我させることになっちゃって」
「誰もそんなこと予想できないよ、それに骨が完全に折れてるわけじゃないし、杖を使えば歩けるから」
比呂美は私のことを守ってくれた。
これからは私が比呂美を守っていこう。
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