年末年始バトル ページ8
私は柚葉。
ただいま憂鬱な気分です。
年末年始なのに憂鬱な理由は、お母さん。
私は一人暮らしだ。
シングルマザーとして私を育て上げた母のことを、最初はすごいと思っていた。
だけど、私が歳をとるにつれてだんだん束縛が激しくなってきた。
「もう夜の6時よ? どこをほっつき回っていたの?」
「今日は参観日……変なことするんじゃないわよ」
「部活ぅ? そんなもの入らなくていいわ。余計な付き合いが増えるだけだもの」
こんなこと毎回言われると、いくら凄い親だとしても敬遠しがちになると思う。
最終的には反対を押し切って、一人暮らしを始めた。
そんな経緯があるから、帰省するといつも面倒なことになる。
私のことが心配というより、心配してあげている自分に酔っている気がして疎ましく思う。
今日も本当は帰るつもりはなかった。
けれど、幼なじみの比呂美と修平から、私の母が病気に悩まされているという話を聞いて、さすがに病気なのに顔を出さないのは悪いと思って帰ってきた。
「柚葉、久しぶりだね」
出迎えてくれたのは、比呂美と修平だった。
「俺も部活が一緒じゃなけりゃ付き合いなんてダメだっただろうなぁ。比呂美ちゃんも柚葉ちゃんもあまり変わんないね」
「それはお互い様よ」
ほんと、これだけなら全然悪い気はしない。
むしろ申し訳なく思うくらいだ。
二人からは、母親は神経か精神を病んでいるらしく、私が一人暮らしを始めてから悪化する一方だという。
「……というわけ」
「そう……何でだろう。まだ私のこと子どもだと思ってるのかな」
「親にとって子供はいつまでも子どもでしょ。まぁ、私たちにも最近は嫌味言うくらいだから、嫌味オンパレードくらいは覚悟した方がいいよ」
……幸先不安な中、自宅の前に立った。
「……ただいま」
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