さくら◆aI劇場（ver柚葉（ゆずは）） (ページ4)

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※（続き）ページ4

結局私は学年二位のまま受験シーズンを迎えた。
もはや両親は何も言ってこなくなった。
どうやら期待をしなくなったらしかった。
それを私は望んでいたはずなのに、いざそうなるとこれから先どうしていけばいいのかわからなかった。

香澄という子が学年一位の成績保持者だ。
香澄は頭が良く運動もできる。おまけに面倒見だっていいし何でも自分の中に理由をつけて他人を悪者にはしないというおそらくは人類でも1%もいない善人だった。

私は密かに香澄に憧れていた。
嫉妬したこともあったし、妬んだこともあった。
けれども香澄は私の家庭内環境を知っていて、私が努力することは間違いではないが、本当に自分のためなのかどうかを聞きにきたことがあった。

私は咄嗟に答えようとして、
それが出来ないことに気づいた。
そしてそんな自分が嫌になった。

香澄は私に対して、成績がいいということ、本当は優しい性格だとよく言ってくれていた。

何故私に構うのか、香澄に聞いたことがある。
「だって柚葉ちゃん、本当に優しいのに自分のこと顧みないんだもの。成績がいいからじゃなくて、本当の自分をさらけ出すってことしないでしょ？いつかそれは限界を迎えるし、柚葉ちゃんの為に良くないから」

私はそれを聞いて、何と言っていいのかわからなくなった。