※(続き) ページ5
香澄には勝てない。
それは両親にもわかってしまったようで、それからは更に無視されることが増えた。
まぁ、ご飯ももらえない子もいるみたいだったからその子よりはマシって思わないと……。
ずっと1人で我慢してきた。
でももう限界だった。
親からの理解は得られない。同級生からは嫉妬される。香澄には同情される。
元々高くはなかった自己肯定感が下がったのを感じた。
学年2位のまま高校受験を迎えた。
私立も公立も地元では一番高い偏差値の高校を受けた。
偏差値はザックリ言うなら60を超えると上位16%、70を超えると上位2%だ。50なら平均。40を下回ると正直言って頭が悪い方に入る。
私が受けた高校は私立公立ともに偏差値70のところだった。
結論から言ってしまえば、受験は失敗だった。
辛うじて私立の高校には受かったものの、本命の公立には受からなかった。
高校に入学してすぐに私は不登校になった。
受験に失敗した私には価値がないと本気で思い込んでいたのだ。
香澄は公立に受かったのに。私より下の成績の子でも私が受けた公立に受かってるのに。
親からなんて言われるかが怖くて、ただひたすらに自分の皮膚をむしり続けた。
両親の理解が得られたのはそんな時だった。
初めて私が学校から離れて、両親共々心配はしていたらしい。
さらに私の皮膚が段々出血を繰り返してガサガサな状態になったのをみて、ようやく病院に行ってくれたのだ。
主治医からはゆっくり休むこと、学校は辞めた方がいいと言われ、両親の許可をもらって私は退学した。
「今までごめんね、柚葉……」
母が初めて泣いた時、私は何も言わずに部屋に閉じこもったが、今日は「うん」とだけ言った。
雪解けまではまだ時間はかかるだろうけど、香澄や病院の先生には感謝している。
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