理由 ページ8
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「あ、渡辺さんは何で教室に?次 情報だよね?」
すると彼女は教室に入って今から準備を始める。
「図書室に本を返していていたんです。門崎君は行かないんですか?」
昨日と今日のホームルーム、さらには休み時間も読んでたし かなりの読書家だなぁ。
「それなんだけど場所わからなくて教えてもらっていい?」
「無理です」
即答された。え?なに?俺悪いことした?
「………何で?」
「私も知らないので」
「この学校の生徒だよね!?」
予想外の答えに思わず突っ込んだ。だって今、2年の5月…。
彼女は準備を済ませて俺に向き直ってから答えた。
「それを言うならあなただってここの生徒です」
ああ、なるほど!渡辺さんも来て日が浅いのか。
「いつからこの学校に?」
「1年の春からですけど」
さぞ当然のように答えられた。
もうヤダこの子…!
「………いつもはどうしてるの?」
「クラスの人について行くか、地図で行きます。何枚か持ってるのであげましょうか?」
と手に持つ1枚の紙。1年も地図見てて覚えてないの…?
「Aっ!」
「っ!?陸斗?」
廊下の向こうから陸斗が走って来るのが見えた。
「ワリー!いつもの感じで移動してたけどお前が転校生ってことすっかり忘れてた!早く行こうぜ!」
どうやら俺を迎えに来てくれたらしい。
「あ、うん。でも…」
目線を教室に向けて言葉を濁す。
陸斗は どうした?と教室を覗いた。
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作者名:シヲリ | 作成日時:2015年2月18日 11時