きにくわない ページ4
□
『しんいちろー!』
「お、今日もめげずに来たか」
『うん!』
わたしが最近頑張ってること。それは、空手。
近所の佐野おじちゃんがやっている道場でお世話になっているのだ。
「A、またきたの?きょーも泣いて帰るだけじゃん」
『まんじろー、きらい、ひどい、さいてい』
「こら、女の子いじめんな」
こいつは佐野万次郎。
佐野おじちゃんのお孫さん。いつもこうして酷いこと言う。それで、しんいちろーに怒られるまでがセット。
確かにわたしは泣き虫だけど、こーやって身体と心を鍛えに来てるもん。
「ほっ」
ちょっと疲れたのでまんじろーの練習姿を見ながら道場の端っこに座ってしんいちろーとひと休憩する。
『…ほんと、まんじろーやだ。全部がきにくわない』
「Aも女の子にしては凄い方だよ」
『世界はりふじんだ』
「お前本当に3歳か?」
『だって、あいついつもサボってるのにあーやってなんかできちゃう』
「こらこら、女の子があいつなんて言わないの」
『わたし、しんいちろーのほうが好きだもん』
「まじ?じゃあ、Aがおっきくなったら付き合うか〜」
『ほんと!?つきあう!ぜったい!けっこんもする!』
しんいちろーだったらわたしが泣いてもヨシヨシしてくれるし、まんじろーみたいにいじめてこない。
それになんてったって、わたしはしんいちろーが大好きだもん。
「あ、シンイチローが3歳に手出してる」
「ばっか、ちげーよ!」
「真一郎!!いるなら参加しろ!!」
いつの間にか練習を終わらせたまんじろーが話しに割り込んできたと思ったら佐野おじちゃんの怒号が飛び交う。
「ゲッ。じゃあな、A」
『あっ、しんいちろー!』
私の頭をポンッて一回だけ撫でた後、しんいちろーはすぐに道場を出て行っちゃった。
「A、オレが教えてやるよ」
『やだ』
まんじろーなんて、色んな意味で相手にならないもん。
「ちぇっ、かわいくねーの」
『ふん』
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水原カノ(プロフ) - さまさん» 本当ですね…!ご指摘ありがとうございます(^^) (2023年1月12日 16時) (レス) @page4 id: dc8eb8059d (このIDを非表示/違反報告)
さま(プロフ) - 3歳は小学生じゃなくないですか、、? (2022年12月29日 10時) (レス) @page4 id: 515ce007de (このIDを非表示/違反報告)
ゴリラの娘です - 何度も見返してしまうほど面白いです!それに更新早いですね!←三週間作品を更新してない人 (2021年10月12日 19時) (レス) @page19 id: dfc5bee49e (このIDを非表示/違反報告)
ゴリラの娘です - ゑ?、、、、、あっなんだ神かぁ。好きです!更新頑張ってください! (2021年10月12日 19時) (レス) @page9 id: dfc5bee49e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水原カノ | 作成日時:2021年10月11日 19時