62話 ページ15
部屋で勉強をしていた時、父親が帰ってくる物音がした。
両親が口論を始めるのを聞きながら、私はイヤホンを探した。
うるさい。
もう勉強するのはやめて、ウォークマンでお気に入りの曲を聴きながら、私はベッドに寝転がる。
布団を被りながら考える。
類さんは、どうして私に親切にできるんだろう?
本当は私のこと嫌いじゃないのかな?
血の繋がっていない母さんとだけではなく、父さんとも話さない。
それでもこの家を出ていかないのは、私のことを大切に思っているからなのか。
それとも別の理由があって、父さんと母さんの子である私のことは嫌いなのか。
私はベッド横の本棚から少女漫画を手に取った。
一巻だけ。二巻以降は買っていない。
ヒロインはふわふわした女の子で、相手の男は頼れるタイプ。
悪役は……
「……私みたいなタイプだよね、どうみても」
努力で勝ち得た美よりも、生まれ持った美が賞賛される。
男性に興味がなく、相手の心を得るための努力をひとつもしないヒロイン。
悪役がヒロインを妬んで意地悪をする気持ちは分かる。痛いほどに。
だけど、最終的に選ばれるのはヒロインだ。絶対に。
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みゆ - 忘れた頃に戻ってきます。の言葉を待ち続けてました!最高です🥲素敵な作品でいつも読ませてもらってます。これからも応援してます! (2022年8月12日 21時) (レス) @page31 id: df78362649 (このIDを非表示/違反報告)
Niko(プロフ) - 3年ほど前から主さんの作品が好きで、久しぶりに開いたら更新されててびっくりしました...!ずっと応援してます! (2022年6月19日 18時) (レス) id: bff3de95f7 (このIDを非表示/違反報告)
ステラ(プロフ) - 最高すぎます!!!一気読みしちゃいました笑 (2022年6月5日 22時) (レス) @page30 id: c6594e1224 (このIDを非表示/違反報告)
まなぶ - やばい....最高です....絶賛今自分先生に恋してる身なので、気持ちがわかりすぎてえぐいです....続きがすごくみたいです!更新待ってます!! (2022年4月10日 23時) (レス) id: be5b892ffb (このIDを非表示/違反報告)
ハルキ - っっっ〜〜!最高っです!久々の更新が嬉しすぎて「えっ!」って言っちゃいました!これからも応援してます! (2022年4月4日 23時) (レス) @page30 id: 26f7606c1b (このIDを非表示/違反報告)
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