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『夏目くん、どうかな?可愛い?』

目の前で手を広げて回ってみせる彼女は夏祭りらしく浴衣を着ていた。

「可愛いけド…それどうしたノ?」

浴衣も可愛いが、それより目に入ったのが髪の所々に入っているメッシュだった。

「染めたノ?」
『ええっと…染めた…。』

理由を聞くと言いずらそうにどう言うか悩んでいた。

『夏目くんとお揃いにしたくて、赤色のメッシュ入れたんだ』

変だよねと恥ずかしがる彼女に変じゃないと伝えると表情がパーっと晴れ嬉しそうにしていた。

『あのね!綿飴とかき氷とか食べて…後、射的もやりたい!』

夏祭りなんて何時ぶりだろう。七夕祭は夏祭りに入るかな?

彼女は目をキラキラさせながら屋台を見回っている。宙といるみたいな感覚だけど何か違う、

『夏目くん!金魚だよ!可愛いし、ヒラヒラだぁ〜…!』

槽を覗きながら手招きして呼んでいる。

よくわからない表現の仕方をするけど言いたい事は分からない訳ではない。

「綺麗だネ、ほしいノ?」
『うーん、金魚の世話できないからいいや。』

いい人に捕って貰えたらいいねと笑う彼女が微笑ましくてずっと見ていたい。

『次いこ!次は何があるかなぁ〜?』

どんどん先に進んで行ってしまう彼女が迷子になってしまいそうで心配だ。

彼女の手を握って、次は何処行くノ?と聞くと、そっぽを向いてあっちと指差した。

『夏目くん、こんな人がいるのにいいの…?』
「ン、いいんじゃなイ?寧ろボクのものだヨ〜って感じデ。」
『そういう事じゃないけど…』

スタスタと歩いていると彼女が止まった。

『ちょ、ちょっと待ってて!すぐ戻るから!』

そう言って手を離すと知らない男と楽しそうに話ていた。

「Aも夏祭り来てたんだな!あ、浴衣可愛いじゃん!一人なら俺とまわんない?」

『ありがとう!でも、友達と来てるから…ごめんね!』

「友達も一緒でいいから!」

明らかに彼女を狙ってるであろう男はしつこいくらい彼女を誘っていた。

なんか凄く不快…。

『あ、夏目くん。』
「A、早く行こうヨ」

無理矢理手を引いて連れてくと彼女が困ったような顔で怒ってる?と聞いてきた。怒ってないと言ってもあまり納得はしてそうにもなく困った顔のまま。

「はァ…」

大きな溜息を吐くと彼女は泣きそうな顔になってごめんね、と謝ってきた。

そんな顔させたい訳じゃないのに

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叶氷那@雪奈(プロフ) - himituさん» コメントありがとうございます!更新不定期ですが頑張ります…! (2022年1月27日 22時) (レス) id: ca91867d6e (このIDを非表示/違反報告)
himitu(プロフ) - うぁぁ〜!好きです...!更新頑張ってください! (2022年1月27日 17時) (レス) id: d074665804 (このIDを非表示/違反報告)
ぶるブルブルミちゃん(プロフ) - 叶氷那@雪奈さん» 最推しなんで!!!神ですね (2022年1月20日 18時) (レス) id: 33d476be95 (このIDを非表示/違反報告)
叶氷那@雪奈(プロフ) - ぶるブルブルミちゃんさん» コメントありがとうございます!夏目くんをもっと好きになって貰えるよう頑張ります! (2022年1月19日 23時) (レス) id: ca91867d6e (このIDを非表示/違反報告)
ぶるブルブルミちゃん(プロフ) - 夏目くんがァァァ!!!!ヤバイイカッコイイ (2022年1月19日 22時) (レス) @page9 id: 33d476be95 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:叶氷那 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年12月20日 10時

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