魔法系女子の恋事情 (ページ3)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:4,964 hit

Story-one ページ3

「お母さん、おはよー」

「あら、A。
今日は早いのね」

「うん、まーね」

私の名前は、永宮 A。
お母さんと二人暮らし。
お父さんは、私が幼い頃、
事故で亡くなったらしい。

覚えている記憶はなく、
あるのは、父が残してくれたと言う
ネックレスだけだった。
真っ赤な宝石のついた
ネックレスは肌身放さずもっていろと
言われた。
それが何故だかは分からないけど。

朝食を食べ、高校に
行く支度をしてから、
玄関に行く。
すると、私のスマホが鳴って。
見ると、幼なじみの蒼汰からだった。

"今、お前んちの前。
どこにいる?"

私は、スマホをしまった。
そして、ドアに手をかける。

「いってきまーす」

「いってらっしゃーい」

家を出ると、
目の前に蒼汰がいた。

「今、家の前にいる」

「そっか。A、おはよ」

「うん、おはよう。」

蒼汰が私の家に
迎えに来るのは、日常で。
私は、それになれてしまった。

しばらく歩くと、
横断歩道で、止まる。
信号が赤に成ったからだ。
でも、小さい子供は、
飛び出して。

「危ないよっ!」

私は、車が来ているのに
気づかず、小さい子供の
所にとびだす。

「Aっ」

蒼汰の声に振り向くと、
直ぐそこまで、車は迫ってきていた。
私は小さな体を抱き締めて、
目を強く瞑った。

・

・

・

ｷｷｰっ、ﾄﾞﾝｯ

車がぶつかる音がしたのは、
それから間もなくだった。