先生、後輩が生意気です。【黒バス】

35　イベントの趣旨とは ページ36

バレンタイン当日がやってきた。


まだ学校にすら行けていないのに同じ女子寮の子からチョコを20個ほど貰った。
まだ……起きて10分だぞ……どういうことだ。

昨日愛結と作ったお菓子だけでは明らかに足りない。
ごめんな、男子達。
義理でもお前らにあげるチョコ残んねーわ。




あたしと愛結は、可愛らしいラッピングのチョコを持ってきてくれる後輩ちゃん達に爽やかな笑顔を振りまき、チョコをねだってくる男子共に蹴りを入れながら朝練へ向かった。







　「A！愛結！おはよー！」



　『おはよう小太郎あっちいけ』



　「お前昨日の夜からなんでそんな怒ってんの！？オレ何かした！？」



　『強いて言うならお前の存在と顔面に問題ありかな。むかつく』



　「理不尽な奴だなー！」







小太郎は愛結から「えー！くれんの！？サンキュー！」と笑顔でチョコを受け取っていた。
おまえええええええ！！！
あっさり受け取ってるけどそれは！義理じゃねェよ！本命だからな！？！？

あっさり朝一で渡す愛結も愛結だ。
ポーカーフェイスすぎこわい。







　「A、愛結、ちょっといらっしゃい」


　「『？？？』」






玲央に呼ばれていくとおしゃれな箱をひとつずつ渡された。







　「二人には、いつも仲良くしてもらってるから感謝のつもりでね、クッキーを焼いたのよ！好み味かは分からないけど良かったら受け取って？」


　『泣きたい』


　「上に同じく」







あたしと愛結は玲央に飛びつき3人で抱きしめ合った。

嬉しい反面、この女子力の差にも涙出た。








　「そういえば征ちゃん、朝からすごかったのよ？」



　「そうそう赤司のロッカーや靴箱まで閉まらねえほどチョコの山でさー！でも赤司、直接渡されるチョコは全部断ってるらしいんだよなー」



　「もったいねえことしやがる」



　『永ちゃん口周りやばいことなってるけど』



　「永吉、アンタ女子から貰ったチョコもう食べてんの！？まだ7時半！！」



　「まったくもう！アンタってばほんとデリカシーないわね！」








あたしと愛結は永ちゃんだけ特別にバスケットボールサイズのチョコをあげた。
お金の都合で中身は空洞だけど、堪忍な。


黛さんには受験勉強のマンネリを打破してもらうためスリルのあるチョコを送った。
5つのトリュフのうち2つがワサビ入りというもの。
本人はめちゃくちゃ返品したがってたけど不可です。

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